どちらさまですか……【歌い手】

57 さぎょう ページ7

「ふぅ……」


なんとか終わった。

多分あれから4日くらいかかった。
1日１食だったし、あんまり寝てない。この後寝よう。


でも、やっぱり難しかったなぁ。
ボカロも打ち込んで調声して、曲の全体を少しいじって、で、馴染ませて。


楽しかったけど、集中力がギリギリだった。



……そうだ、頼んでおいたイラスト……

あ、完成してる、ありがたい。
綺麗だなぁ……。




お礼メールを送って……っと……。


……。


……よし、完了。



あとは動画をお願いしよう……。

そうだ、あれしないと……。



*
*
*



「……っは、」



……ヤバい、寝てた、動画師さんに連絡した……のは覚えてるけど、大丈夫かな、粗相してないかな……。

……。


……はぁ、よかった……。大丈夫そうだ。


眠いまま大事な連絡するの、良くないな。
次からはちゃんと寝よう。


えーっと、何分寝てたんだ……？



「時計、時計……。……え゛っ」



寝た時刻が大体17時、それで今が朝の5時。

12時間睡眠とか久しぶりにした。


すごい寝てたな……。頭もガンガンするし、お腹もすいた。



「冷蔵庫……」


しかし中には 何も 入っていなかった！▼



……はい。お疲れ様でした。
どうしよう、作る……にも材料がないし、だからといって外へ出るにも体力が足りない。


あ、そうだ、電話しよう



えーっと、ま……ま……


あった。
かけて1分と少し経ったくらいの頃。


「……ん、もしもし……」


寝起きの声だ。当たり前だ、まだ5時。
普通に非常識だ。


「もしもし……まふさん……」

「はい、なんですか……朝早いですね……」



んーっ、という伸びをした声が電話越しに聞こえる。



「あの、いきなりですみません
ご飯、作ってくれませんか……」


「ご飯……？」


「今私死にかけで……外行けなくて……」


「ん、わかりました、りょうかいです」


「ありがとうございます、詳細はLINEで送りますね……すみません朝早くに……。お願いします……。」



電話を切って、ポストに鍵が入っていることと、ポストの暗証番号をLINEで送った。



びっくりするくらい頭痛くて、とりあえず這いずってソファまで行く。

なんとか辿り着き、寝転がり、クッションを握り、痛みに耐える。


薬飲まなきゃな、と思いながらも動けないので大人しく待つことにした。



がんばれまふさん

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