どちらさまですか……【歌い手】

99 しーとべると ページ49

「前もこんなふうに、センラさんに車に乗せてもらったこと、ありませんでしたっけ」

「ん？あるに決まっとるやん、同じ会社やで」

「ああ、なるほど」


運転席に座っているセンラさんの横顔。
……鼻高いなぁ。

……それはさておき。


「……で。なんでこの人たちが……？」

「ええやんべつに。あかんの？」


後部座席をミラー越しに見やると、わちゃわちゃとゲームしている3人が。


「あっちょっと坂田！それ反則！」

「うっさいわまーしぃ！そこどけや！」

「ちょっとお前ら押すなって！リアルで攻撃すんな！」


背後からくる戦いの熱気(？)がすごい。
楽しそうではあるけども。


「教えてくれたら良かったのに、他の人も来るって」


と悪態をつくと、センラさんはにやりと笑い、


「なーに、もしかして2人きりが良かったん？」


と言った。ので、否定しておいた。
なんでなん？！と驚いていたがそりゃそうだろう。


「うわ！センラフラれとるやん！」

「うわー、後輩に迫っとるん？パワハラやでそれ」

「センラこわぁい、Aちゃん、こっちおいで」

「シートベルトしてるので無理ですね」

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