66 くん ページ16
「あ!マツリさん……と、なるせくん!
よかった、来てくれたんだね、ありがとう!」
「呼ばれたし、来ない訳には……」
「俺は暇だったからきたよ」
よくみると、天月さんはヘアメイクは全て終わっていて、すごくかっこよかった。きっと舞台映えする。
「この後通しリハーサルをしたら、またメイク直しをして、本番、って感じですか?」
「うん、だいたいそんな感じ!ワクワクする!」
「天ちゃん、テンションいつも通りだね」
「そーお?」
……でも、やっぱり天月さんって、ふしぎなひとだな。
歌ってる最中は、表情も動きも声も、全部がかっこいいのに、普通に話している時は、ずっとふわふわしている。
ギャップがすごい。
「天月さん、って、なんか、不思議な人ですね」
「ふはは、それ褒めてるよね?」
「わかんないよ天ちゃん。今のマツリさん、ちょっと辛辣なところあるからなぁ」
「それどういう意味ですかなるせさん」
「ふふふ」
にこにこと笑う天月さん。……やっぱり、別人みたいだ、すごいなぁ。
ハンドル握ると性格変わる、みたいな
「天月さーん、リハのスタンバイお願いします!」
「あ、はーい!じゃ、行くね!」
「うん、頑張れ!」
わー、と言いながらスタッフさんの方へ駆けていく天月さん。……ちっちゃい子?
「……なんか、前もこんなことあったような。」
「そう?ま、俺ら結構ライブしてるからね。似たようなこともあるよ。」
「……うーん、ここまで出かかってるんですけどね。」
……もう少しで、思い出せそうなんだけどなぁ。
「……ま、気長に待とう。所々戻ってるんでしょ?なら大丈夫だよ」
「……ですね、ありがとうございます、なるせさん」
なんか、最近、色んな人が私のことを労わってくれている気がする。
そんなに顔に出てたかな。
「……あの、なるせさん、っての辞めない?」
「え?」
「めちゃめちゃムズムズするわ、それ。
なるせくん、って呼んでよ、前みたいに。」
「……な、なるせ、く、……ん、」
慣れなくて、がんばって言う。
……いやだって、呼び方変える、って、難しいじゃん。そういうこと。
「……嫌なら、別にいいけど。」
「……ご、ごめんなさい!な、なるせ、くん!」
「……ん」
拗ねたので慌てて呼ぶと、嬉しそうな表情で、素っ気ない返事を返された。
……かわい。
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Silvermoon(プロフ) - うんうん、ストーリーにどんどん引き込まれて行く感覚…良い作品ですね。
(*^_^*) (2020年6月14日 10時) (携帯から) (レス) id: 5e24cae7de (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - イチゴいちさん» 本当ですか!ありがとうございます、とっても励みになります!これからもよければぜひ宜しくお願いします!! (2020年5月22日 21時) (レス) id: 50565df300 (このIDを非表示/違反報告)
しゃけ(プロフ) - Silvia Silvermoonさん» すみませんありがとうございます、直させていただきましたド忘れしてましたすみません! (2020年5月22日 21時) (レス) id: 50565df300 (このIDを非表示/違反報告)
Silvia Silvermoon(プロフ) - あ、続編に移行されたんですね、おめでとうございます。1つ質問…名字…前には任意で変えられましたが今回は固定なんですね^^;;; (2020年5月22日 13時) (レス) id: 2333e0e3ce (このIDを非表示/違反報告)
イチゴいち - 続編おめでとうございます!なんと…初コメなんですが。しゃけさんのシリーズいつも楽しく読ませて頂いてます。更新頑張って下さい(`・∀・´) (2020年5月20日 17時) (レス) id: 86b9e23d57 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃけ | 作成日時:2020年5月20日 4時