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この気持ちを ページ9

ーA目線ー




彼のことは、いつかは諦めなければいけない。

忍者の三禁、「酒」「色」「欲」。

彼への感情はこの「色」に当たるのだ。

早い内からそれを破ってしまったことには

正直反省している。

なら、早い段階でその気持ちを切り離し、

今まで以上に勉学と鍛錬、忍として力を入れるのが

筋というものではないだろうか。


「だから」




「立花君のことは諦めなくちゃ」


「立花君のことは諦めなくちゃ」


「立花君のことは諦めなくちゃ」


「仙蔵君のことは諦めなくちゃ」


「仙ちゃんのことは諦めなくちゃ」

「仙ちゃんのことは諦めなくちゃ」



気づけば六年が経っていた。

つくづく諦めの悪いやつだと自分でも思う。


仙ちゃんは分からないが、他の六年生には

確実に勘付かれている。

文次郎には仙ちゃんの事とは言わないものの、

よく三禁の話をされ、伊作に関しては早い段階で

気づかれて、今じゃよく相談に乗ってもらう始末だ。




「本当、情けないわよね」


「仙蔵のこと?」


そう言うとお茶を淹れる伊作。



「ポーカーフェイス、って言うのかしらね。

表情を作って誰にも気づかれない様にしなきゃ

いけないのにすぐに出ちゃうのよ。

....忍者に向いてない、って言われても否定できないわ」


どうぞ、とお茶を出してくれた伊作にありがとう、と

礼を言う。



「僕は良いと思うよ。

優しくて、誰かを想っている忍者が居ても。

それが任務中に影響しない様にすれば良いんじゃない?」


「でも」


「それに、向いてないって言うなら保健委員の忍たまは

皆向いてない、って言われても仕方ない子達ばっかりだよ」



少し笑って、「確かに」と返す。



「伊作は優しさの色で、妾は色恋の色だわ」


「仙蔵が好きなAが僕は好きだよ。

その気持ちを無理に諦めようとせずに、

受け入れようとしてみたら?」


「受け入れる?」


「そう、否定ばっかりしてないでさ。

それとも否定しなきゃいけないぐらい仙蔵が好き

なのは嫌なの?」


「それは違うわよ!」


そう言うと、微笑む伊作。


「... そうね、きっと妾にはそっちの方が合ってる。

ありがとう伊作。」


「どう致しまして」


何か精神面で悩んでいる時、無意識に伊作に相談して

しまうのは、彼のこういう優しさが強いんだろうな、

そうつくづく思う。


「それじゃ委員会の話に戻そうか」


「そうね」


そう言って、伊作に笑いかけた。

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(プロフ) - 続きが読みたいです…、何年でも待ちますから…!(泣) (2022年9月3日 0時) (レス) @page24 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
草餅 - MARIさん» 返信が遅くなり申し訳ありません( ; ; ) 頑張って更新します! (2018年1月18日 14時) (レス) id: 0c115415c6 (このIDを非表示/違反報告)
MARI(プロフ) - 続きが見たいDEATH!(忙しいんですかね) (2018年1月7日 12時) (レス) id: f2fb6e2bac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:草餅 | 作成日時:2017年11月1日 11時

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