自覚 ページ23
ー仙蔵目線ー
食堂で黙々と朝食を食べる。
…一昨日のあれは一体なんだったのだろう。
Aに対して、....愛おしいなんて。
彼奴は同級生で男だ。 まずいわゆる
恋愛感情なんてものはあり得ない。
なら一体あれは何だと頭の中で何度も何度も考える。
「おはようございます!立花先輩!」
「ああ、おはよう」
席の横を通った後輩が元気よく挨拶をした。
「(…ああ、なるほど、そうか。
弱っているAが私を頼ってきた。
つまりあの時のあれは、後輩を守る気持ちと
同じという事だろう。
つまり、何も悩む様な事では無い。
…よし、解決だ。 )」
食べ終わった食器を片付け、食堂を出て
教室に向かうため、廊下を歩く。
自分は何を悩んで居たんだろう。
我ながら馬鹿馬鹿しい。
あれはAを後輩と同じ様に扱ったが故の
出来事だった。
だからもう、Aの事を必要以上に考える
理由なんて__________
「__あ、おはよう仙ちゃん!
今日も本当に綺麗だわ」
___________ないはず、なのだ。
「おはようA、体調は良くなったのか?」
何事もなかったかの様にAと話す。
「完全回復したわ! 伊作と仙ちゃんのおかげよ、
ありがとうね」
良かった、と言い、自分の席に向かう。
いつも通り、元気な様子のAを見て安心した。
…煩い、Aの話に集中しなければならないのだ。
「それでね、その… 仙ちゃん、妾仙ちゃんに
恥ずかしい事言っちゃったじゃない…?
本当にごめんなさい…」
と顔を赤くするAを揶揄う様に
「おや、何だったか、確か」と言うと
「勘弁して!」と慌てる様子を見て笑う。
そう、いつも通り。Aも、私も。
なのに。
「(どうしてまた、こうも胸の音が騒がしいんだ)」
何も無いように、Aと話を続ける。
煩い心臓の音を勘付かれない様に。
またこうなっている理由が分からなくなる。
後輩と同じ様に扱ったからだと頭では理解している。
…いや、理解させようとしていたのかもしれない。
「それでね、次の休みって仙ちゃん空いてる?」
「(...ああ、そうか)」
「美味しい茶屋があってね」
「(やっと気づいた)」
「あのお店、前に鉢屋と行ったんだけど...」
「(A、私は)」
「…仙ちゃん聞いてる?」
「(______お前に恋をしているらしい)」
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涼(プロフ) - 続きが読みたいです…、何年でも待ちますから…!(泣) (2022年9月3日 0時) (レス) @page24 id: 912a8b7391 (このIDを非表示/違反報告)
草餅 - MARIさん» 返信が遅くなり申し訳ありません( ; ; ) 頑張って更新します! (2018年1月18日 14時) (レス) id: 0c115415c6 (このIDを非表示/違反報告)
MARI(プロフ) - 続きが見たいDEATH!(忙しいんですかね) (2018年1月7日 12時) (レス) id: f2fb6e2bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:草餅 | 作成日時:2017年11月1日 11時