7話 いっそのこと(前編) ページ8
※ここから先ネタバレ注意
乱数side
「カハッ…ゲホッ!ゴホッ!ぐぁ…!」
咳はどんどん酷く、頻度も多くなってきた。
(あぁ……本当にもう…………長くない……)
何にも希望なんて見いだせないと思っていたこの世界に、未練が残るなんて思っちゃいなかった。
無花果に生命維持のための飴を要求しても、あの偉そうな態度で「知らん」と一蹴されただけだった。
「っ………クソ!!!!」
怒りがこみ上げてきて舐め終わった飴の棒をゴミ箱に乱暴に投げ入れる。
しかしそれはカタッと少し音を立てただけで虚しくゴミ箱の中で転がった。
馬鹿馬鹿しくなりはぁと溜息を吐いてソファに座りぼんやりと天井を見て目を閉じる。
思い浮かべるのはやっぱりAのことで。
僕がもし、君に何も言わずに消えたら?
君は泣いちゃうでしょ?
その可愛い目を真っ赤に腫らしてずっとずっと大泣きしちゃうんでしょ?
僕が君に本当のことを言ったら?
君は危険をおかしてまで僕を助けようとするでしょ?
そんなのは駄目だ。
僕は君に笑っていて欲しい。
君が笑えなくなる世の中なんてあってはならない。
僕は君に傷ついて欲しくない。
君は僕のために中王区にだって簡単に乗り込んで行きそうだ。そんなことしたら、君が僕と同じようにクローンにされないなんて、誰が言える?
だから、僕、思うんだ。
そんなことになるならいっそのこと
君に嫌われてしまった方がいいんじゃないかって
そしたら、君は少しの間は泣くだろうけど、ずっとじゃない。どこかで吹っ切れてまた笑顔になれる日が来るでしょ?
嫌われてしまえば、僕なんかのために自分を犠牲にしないでしょ?
ほら、完璧だよ。
だからさ、僕のこと嫌いになって。
『ねぇ、A。今から会える?』
僕が君にメールを送ると、すぐに
『いいよ!』
という返事が返ってきた。
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7話、「いっそのこと」は前編と後編に分けてます。長いから。
でも後編短いかも。ごめんちゃ(´・ω・`)
読者さんホントありがと〜……読者様は神様でっす………(ホントたまに占ツクのお気に入り登録の通知来るのまじ嬉しいのよあんがとぉ………………)
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アホの化身 - 乱数君が死ぬオチなら夢主ちゃん後おいさせちゃってください。(残酷ー) (2020年10月18日 21時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
アホの化身 - じ、自分で作ったのにわからないの! (2020年10月18日 21時) (レス) id: 62410cc231 (このIDを非表示/違反報告)
ヨミ(プロフ) - あめさん» ありがとおおおおおおおおおおおおおおおおおもう私頑張っちゃうよおおおおおおおおおおネタ切れなんかに負けないよおおおおおおおおおお(´;ω;`) (2020年4月13日 0時) (レス) id: 5ab0c41d8e (このIDを非表示/違反報告)
あめ(プロフ) - ヨミさんの小説めっちゃ好き〜 続きが気になります! ずっと応援してるよ! (2020年4月13日 0時) (レス) id: 15e8973951 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - めっちゃ、ドラパを連想する!! ヨミさんの小説めっちゃ好き!! 続きが気になる!! (2020年4月12日 22時) (レス) id: 02d313d0f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨミ | 作成日時:2020年3月10日 18時