有岡くんの甘い毒牙。2

60.揺らいでる ページ21

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山「っはぁ、……A、今何考えてた？


…俺に迷惑かかるとか、私が悪いーとか…考えてなかった？」


「なんで、わか…」



山「好きだよ」



「…っ、」



山「Aのこと好き、もうどうしようもないくらい好き。愛してる。……でも、Aはそうじゃないの…？」



そんなわけないじゃん…


私の方が涼介のこと好きだよ。




でも、それじゃ涼介が…



山「…ストーカーされてるのはほんと。言えなくてごめん…

でもそれは、Aに心配かけたくなかっただけ。仕事も忙しいのに余計な気使わせたくなかったの…」



「涼介……」







どうしよう、揺らいでる。


さっき決めたのに。涼介と別れるって決めたのに……


もう心は涼介から離れられなくなってる。






「や、めてよ……そんな目で…見ないで、



私涼介こと、もううんざりだって言ったのに…なんでそんな優しい目をしてるの……」



山「好きだから」




「っもう、いっそのこと罵って…、お前みたいな女とは、出会わなかったら良かったって…突き放してくれたら、楽なのに……っ！」



そうしたら、潔く別れて、涼介は過去にも私にも囚われず進んでいけるのに。



どうして引き止めるようなこと言うの？




山「なんで、嘘つくの？Aはまだ、俺のこと好きなのに」



「…っ、」




有岡くんの瞳は、冷たいままだった。





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