【歌い手】近くて遠いキミ【となりの坂田。】

キミの想いは ページ36

駅。私は定期で電車の改札口を抜けてホームへと、彼と一緒に進んだ。


『今日はありがとう、楽しかったよ！』

私が乗る電車が来て、ここで明くんとはお別れだ。

彼は何故か下を向いて、黙ったまま。



...なんか機嫌悪い？なんて1人でドキマギしながら私は電車に乗り込む。




そこでさっきまで口を開かなかった明くんの口が大きく開いた。









「僕、Aのこと好きやよ!!!」









その言葉と共に開いていた電車の扉がプシューという音と共に閉じた。



私は閉じた電車のドアのガラスからホームに立つ明くんを見つめる。





彼の顔は真っ赤になっていて、まだ口を動かしていた。



『...大好き』



確かに彼の口元はそう動いた。


電車は動き始めて、だんだん彼との距離は離れていく。








『あ、明くんが...私を好き...？』




私は自分の顔が赤くなっていくことを感じた。







スマホを開き、某SNSを開くとそこのトップにはさっき交換したばっかりの彼の名前。

坂田と書かれた名前に反応をしてしまう。






そのとき丁度、彼からのメッセージが届いた。



坂田さっきは急にごめん。でも嘘やないで

坂田浦島坂田船のライブが終わったら返事聞かせて





私は彼とのトーク画面を閉じた。









浦島坂田船のライブは来週末。



『...坂田さんと明くんか...。』

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