検索窓
今日:5 hit、昨日:7 hit、合計:90,103 hit

海賊 27 ページ31

静かに揺れる船。
僕はその帆の柱の上に腰掛け、適当な魔導書を引っ張り出しては読み漁っていた。

魔炎魔法、凍結魔法、精神魔法…様々のものの複雑な術式を読み解くのは、今では呼吸をするよりも簡単な事になっていた。


指先にひとつの小さな火を灯す。
周辺を今にも儚く消えそうに照らす炎。
しかし、それも空間魔法と風魔法を組み合わせれば……



「……うわ、でか」



空を覆い込むほどの巨大な炎になった。
空間魔法で炎の炎上を妨げる二酸化炭素を妨害し、酸素のみの空間を作る。
その中に風魔法で小さな風を送り、炎を大きく燃え上がらせる。


今どきの子供でもわかる原理でも、魔法は大きな力になり人を殺す。


「……なにしてんの、まふまふ」


すると、体に満ちていた魔力の力と指先の炎の暑さがふっと消える。


声をかけられた方に顔を向ければ、青い瞳を淡く光らせたそらるさんがいた。


無効化の魔力。そらるさん自体にはそこまでの戦闘能力はないが、彼の底なしの頭脳と推理力、考察能力は恐ろしい。


「どうしました?」
「ん、腹減ったから飯作ろうと思って。お前最近食ってないからさ」
「…そうですね、いただきます」



彼なりの配慮なのだろう、そのぶっきらぼうな優しさに、久しぶりにほおが緩んだ。
懐かしいなぁ。昔は、こうやってあの彼と…たわいないことで、ただお腹が減っただけで笑いあっていたなぁ。

「……懐かしいね、天月くん」









「翔太!だめだよー!走ったら!」
「真冬!こっちこっち!」





繋がれた小さな手。
しかし、その先には絶望が待ってることも知らないふたりは、その繋がれた手を握りしめ合い、くらい場所へ走っていった。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←海賊 26



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (123 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
361人がお気に入り
関連タグ:すとぷり , KnightA , irxs , 騎士A , utit , いれいす
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あまちゃん(プロフ) - 作品はもう更新されないのですか? (2020年1月15日 22時) (レス) id: e2b64e29e9 (このIDを非表示/違反報告)
三國おと♪ - 七つの大罪知らないけど何となくわかったおww (2018年12月8日 22時) (レス) id: bd02d20487 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア - 先程は本当に長文失礼しました(_ _) 今から避難所行くのでしばらく占ツク見れないマジ○ね★(^^)凸 でも帰って真っ先に見ます!こーいう能力とか魔法とか、そういうの本当に好きなんです!更新、楽しみです!待ってます! (2018年7月7日 8時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア - すげぇこういうの好き!(>∀∂)ミ★ 関係ないけどバイオ全線(漢字違うかも)のせいで避難指示が出されますた この大雨の中避難するとか有り得ぬ 近くの川は増水して溢れそうだし、3〜4km離れたところの道路は少しですが水で浸かっています。長文失礼しました。 (2018年7月7日 8時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽@リア充潰し隊会長 - 七つの大罪ってアニメのですか? (2018年3月2日 19時) (レス) id: 16542bad72 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アリス x他2人 | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/  
作成日時:2018年1月1日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。