海賊 19 ページ22
「………After the Rain」
ボソッとその言葉を呟いたのは天月。
luzも先程までの騒ぎを忘れ、目の前で自分たちの魔力を消し去った2人を睨んだ。
「そんなに睨まないでluzくん、そして悲しそうな顔をしないでよ天月くん」
「96も怒んなって。別に俺たちはお前達に危害を加えに来たわけじゃないし」
困ったようにまゆを下げたまふまふ。
天月はかつての親友であり、今では敵のまふまふを目のあたりにして泣きそうに目を細める。
「ま、ふ………」
「うん、まふまふだよ。ごめんね」
震え混じりの声でまふまふを呼ぶ天月。
しかし、まふまふは再度困ったように笑みを浮かべた。
「……そんで、何のようなん」
luzは天月の肩をぐいっと乱暴に引くと、自らの武器である拳銃をそらるに向けて口を開いた。
しかし、そらるは動じることなく眠たげな目を、静かに周囲に移す。
「……天月と96は見たんじゃない?浦島坂田船の新入りの女の子」
「…………それがなに」
「あの子、軍の上が長い間探していた"鍵"だよ、知らなかった?忌み子が地方から消えたのは耳に届いてるでしょ、その忌み子が彼女。」
天月の脳裏に浮かんだのは、自分の斬撃を受けきり、浦島坂田船を逃がした少女。
そらるは1度あくびをこぼすと、天月に語りかけた。
「俺たちはあの子がどこに行き着くのか見たいんだよ、忌まれて疎まれた彼女が、どうなるのか」
「………それを俺たちに教えてどうするつもりなん?貸しでも作ったつもり?」
「違う。俺たちは忠告しに来ただけ。あの子に手を出すな。例え軍の上からの命令でもな」
_歌詞太郎ならここまで言えば分かるさ_
そらるはニコリと小さく笑うと、パチンっと指を鳴らした。瞬間、まふまふの魔力が空間を揺らし始める。
「ッ……!待ってまふ!!おれっ、まだお前に謝りたいことがっ……!!」
天月が手を伸ばす。
しかし、そこにはもう何も無かった。
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あまちゃん(プロフ) - 作品はもう更新されないのですか? (2020年1月15日 22時) (レス) id: e2b64e29e9 (このIDを非表示/違反報告)
三國おと♪ - 七つの大罪知らないけど何となくわかったおww (2018年12月8日 22時) (レス) id: bd02d20487 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア - 先程は本当に長文失礼しました(_ _) 今から避難所行くのでしばらく占ツク見れないマジ○ね★(^^)凸 でも帰って真っ先に見ます!こーいう能力とか魔法とか、そういうの本当に好きなんです!更新、楽しみです!待ってます! (2018年7月7日 8時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア - すげぇこういうの好き!(>∀∂)ミ★ 関係ないけどバイオ全線(漢字違うかも)のせいで避難指示が出されますた この大雨の中避難するとか有り得ぬ 近くの川は増水して溢れそうだし、3〜4km離れたところの道路は少しですが水で浸かっています。長文失礼しました。 (2018年7月7日 8時) (レス) id: e1e03b0ec4 (このIDを非表示/違反報告)
黒羽@リア充潰し隊会長 - 七つの大罪ってアニメのですか? (2018年3月2日 19時) (レス) id: 16542bad72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アリス x他2人 | 作者ホームページ:https://jp.pinterest.com/meru0626/
作成日時:2018年1月1日 9時