【文豪ストレイドッグス】元.ポートマフィアの指導者 Part 6

伯玖頁─密会 3─ ページ4

人目につかない場所に建立しているとある建物。

そこに訪れた重々しい表情のポートマフィアの首領と黒帽子を被った幹部。

表向きはごくごく普通なその建物はポートマフィアの所有している物の一つであり、建物内には数えたくないほどの死体袋が置かれていた。




「被害総数は？｣

「直轄構成員が十八。傘下組織を含めると百近い死者が出ています｣




首領の問いかけに中也は帽子を脱いで答える。

そしてその帽子を静かに胸元に当て、せめてもの冥福を祈るように俯いた。




「癪(しゃく)ですが...Aの援護と太宰の木偶が呪いを無効化してなければ、この十倍は被害が出ていたかと｣

「首領として先代に面目が立たないねぇ｣




森は珍しく弱々しく銷沈した。

慌ただしいながらも静かな屋内に扉が擦れ合う自動ドア独特の音が来客を告げる。

二人が其方に目線を移すと、そこには和傘を携えた艶やかな紅色の髪の女性の姿があった。




「おや、紅葉君！｣

「太宰の奴に探偵社を追い出されましてのう。役立たずの捕虜を置いても世話代が嵩むからと。宿泊費代わりに伝達人の使い番まで押しつけられたわ｣




────探偵社の社長から茶会の誘いだそうじゃ。

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