伯捌頁─密会 2─ ページ3
「構成員同士で延々血を流し合うよりは善い」
そう云い残して社長さんは静かに探偵社を後にした。
彼の声があまりにも落ち着いていて平坦だったのを私は内心とても感嘆していた。
殺されると云われているにもかかわらず、あんなにも平常心を保てるものだろうか。
「...おい、太宰、A。説明しろ。マフィアの首領と...密会だと?」
「そうだよ。敦君の着想から
『本当にそうですよね。幾ら組合が最大の脅威になったとはいえ』
依然として既に誰も居なくなった扉に目を奪われつつ、太宰さんの言葉に私は適当に相槌を打つ。
本当に彼は一番面倒ながら興味深いことをしてくれたものだ。
「待て待て待て!」
酷く焦った声に扉から視線を移してみれば、其処には顔を真っ青に染めた国木田さんの姿があった。
肩がわなわなと震えおり、激しく動揺しているのが手に取るように判る。
「何が何やら......第一、何故お前達が密会の手筈を整えている?」
第三者目線で見れば彼の動揺にも深く頷ける。
普段は敵対同士の組織の長が極秘に会うのだ。
しかもその手筈をしたのがいつも巫山戯ている同僚と最近入った仮の後輩。
社長さんが発言したこの事実に比べれば、“青酸カリって実は美味しいんですよ”と云われた方が信じてしまうかもしれない。
さて、この問いにどう答えようか。
私はこの際どうでも良いけれど、太宰さんは好ましく思わないだろうし────
「元ポートマフィアだから。国木田君以外は皆知ってるよ?」
......あ、云っちゃうんだ。
私の心配を一瞬で薙ぎ払う。
嫌な顔をするどころか微笑みながら云った彼に呆れを通り越して思わず笑みがこぼれる。
一方の国木田さんは衝撃的事実のダブルパンチにより灰になってしまったのかと思うほどの放心状態となり、太宰さんが人差し指で肩をつんと小突いただけで綺麗に倒れていった。
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煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» 了解です、合っていて良かったです(*^^*)承認しておきますね。最新パートまで読んでいただきありがとうございます!過去編共々頑張っていきます! (2019年6月15日 17時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 最新パートまで読ませていただきました!これからの有島ちゃんが楽しみです! (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» 狼楼に直しときました…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
狼楼(プロフ) - 煉華☆さん» あ!あってます!直すの忘れてた…汗 (2019年6月15日 15時) (レス) id: 8b97f6f5d3 (このIDを非表示/違反報告)
煉華☆(プロフ) - 狼楼さん» すみません、今「炎化狼」という名前の方の申請をもらっていたのですが、狼楼さんでしょうか?名前に狼とついていたので質問させていただきました。 (2019年6月15日 14時) (レス) id: fa2422e9a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:煉華 | 作成日時:2018年3月6日 7時