乗り越えろ、過去を。【2】

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ドクターside





ドクター「なるほどね。」



バレット「ごめん、急に呼び出したりして。

俺にはどうすることも…」



ドクター「だろうね。」



バレット「だろうね、って…」



ドクター「僕も前、あの殺気を直に受けて…コマンダーに触ることもできなかったから。

…医者なのに、ね。」





あの時の不甲斐ない自分を思い出し、悔しい気持ちになる。





ドクター「…とりあえず、バレットは休んでなさい。」



バレット「……はい。」





しょぼん…という効果音が似合うくらい、気まずそうに俯くバレット。


その腕には、僕がつけた点滴が。





…典型的な脱水症状だ。



一つのことに夢中になれるのは彼の良いところでもあるけど、ある意味危険でもある。



こっぴどく注意したから、今後は改善するといいんだけど。





SHINOBI「ドクター。」



ドクター「ん？」





点滴の調子を見ていると、別室にコマンダーを運んでいったSHINOBIが、申し訳なさそうに戻ってきた。




SHINOBI「コマンダー、『もう治った』って言って…


…その、…帰っちゃった…」



ドクター「……は？？」





よっぽど僕の顔が怖かったのだろうか。



SHINOBIがひぃ！と小さく悲鳴をあげる。





SHINOBI「い、一応止めたんだけど…」



ドクター「それ、いつ？」



SHINOBI「ついさっき…」



ドクター「はぁ…。


…どいて。」





SHINOBIのことをぐいっと押して、部屋を出る。



すれ違う途中、ごめんね、とSHINOBIが囁く。





…お人好しのSHINOBIにあの頑固者を止められるはずもないよね。



僕の人選ミスだから、しょうがないけどさ。






まったく…一体何を考えているんだ、コマンダーは。

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