2 ページ12
バレットside
バレット「なんでもできる…コマンダーには。
努力しても努力しても追いつけない悔しさなんて…わからないだろうね。」
コマンダー「…俺は、「天才はいいよね。」
バレット「毒にも負けない強靭な体。
重たい義足を全く感じさせないどころか、特殊感染体にも付いていける素早さ。
そして、圧倒的な強さ。
さらには、惨めにぶっ倒れてる凡人のことを心配する余裕だってあるんだもんね。」
コマンダー「違う、バレット」
バレット「そうやって心配してるように見せて。
心の中ではどうせ、笑ってるんでしょ？「おい！」うるさい！
わかるわけないよ！俺の悩みなんて…
コマンダーにわかるわけないでしょっ！」
コマンダー「ッいい加減にしろ！！」
突然の怒声に、びくりと体が震えた。
コマンダー「お前に俺の、何がわかる…？」
顔を伏せているコマンダーがどんな表情をしているのか、俺にはわからない。
でも、ひしひしと感じるのは…怒り、だ。
コマンダー「…お前にわかるか…？
周りの人がどんどん死んでいって、次は自分かもしれないという恐怖が。
実験体として遊ばれ、意思に関係なく…無理矢理体を改造されていく絶望が。
わかるのか？お前に…」
バレット「…え？」
コマンダー「何もしていなかったら、俺はとっくの昔に死んでいた。
…ッ俺は！
生きる為に必死に努力してきたんだッ！！」
…初めて聞く、コマンダーの心の叫びだった。
コマンダー「……こんな強さなんていらないから。
できることなら、ただ、平穏な日常を…過ごしたかった…」
部屋中に反響するほどの叫びの後で、ぼそりと続けた言葉。
頭をガンッと打ち付けられたような衝撃に、俺は思わず言葉を失っていた。
…さっきまでの言い合いが嘘のように、シーンと静まり返る部屋の中。
ゆっくりと扉の方に向きを変えたコマンダーが、歩き去る。
…と、思った時。
コマンダー「っぐぁ…！」
右足を押さえ、悲鳴に近い声を上げてその場にうずくまった。
バレット「えっ……大丈夫…？」
思わず起き上がり、コマンダーの体に手をかけようとした。
パシッ！
コマンダー「触るなッ！！」
振り払われた手と、強烈な殺気。
一瞬で、俺の体は金縛りにあったみたいに固まってしまって。
コマンダー「…っ〜！！」
痛みに耐えるコマンダーを、ただ見ていることしかできなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 582人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くーる(プロフ) - JUMPLOVEさん» わーい！お仲間さん！← あそこの場面書いてるのとっても楽しかったです() 移行後も病系っぽいシーンがあると思いますが、楽しんでもらえたら幸いです♪ (2020年3月23日 22時) (
レス) id: 882d51d11c (このIDを非表示/違反報告)
くーる(プロフ) - あいなさん» おおっ！嬉しいコメントありがとうございます！！だんだんと毎日更新が危うくなってきましたが…なるべく間を開けないように更新していこうと思いますので、移行後もよろしくお願いします！ (2020年3月23日 22時) (レス) id: 882d51d11c (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - トラウマ のやm(((コマンダーさんがとっても好きです()萌え要素自体はもう数え切れません← (2020年3月21日 21時) (レス) id: e7b67a5f10 (このIDを非表示/違反報告)
あいな(プロフ) - くーるさんの更新を楽しみにしながら生きてます。←頑張ってください (2020年3月21日 17時) (レス) id: 1e04f73329 (このIDを非表示/違反報告)
くーる(プロフ) - あかいさん» あわよくば皆さんの毎日の楽しみの一つになれば…とひっそり思ってましたが、まさか実現してたとは！！嬉しいコメントありがとうございます！これからも毎日更新がんばりますね〜！ (2020年3月2日 8時) (レス) id: 882d51d11c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くーる
| 作成日時：2020年2月8日 22時
