ただ前へ、全力前進。 −2nd season− ［Ryousuke.Y］

@3 ページ42

雄也side





雄「…でもな。

あいつ…最近、ちょっと変わってきたんだ。」



裕「…？」



雄「前より、表情が出やすくなった。


嬉しそうにしたり、照れたり、笑ったり…


そういうのが、前よりも断然増えてるんだ。」






そう言ってから、有岡くんを見つめた。






雄「…なんでだと思う？」



大「…え？

んーっと…

雄也さんに対する信頼度が、あがったから…とか、ですか？」



雄「んー…それもあるかもしれないけど。

一番の原因はね、『出会い』だと思う。」



圭「出会い…？」



雄「そう。


…例えば、空ちゃん。


空ちゃんを拾ってからの涼介は、前よりよく笑うようになった。


愛しいものを見るように、柔らかく…笑うんだ。」







元々優しい子だからね。



動物相手の方が、感情を素直に出しやすいんだろう。







雄「あとはね？

君たちも、関係しているんだよ？」



大「…え…？」



雄「俺さ、よく涼介に聞くんだ。

『今日の学校はどうだった？』って。


そしたら、涼介はだいたい、


『プードル達が…』って、君たちの話をするんだ。」



大「…！」



雄「…あ、ごめん。

ちなみにプードルってのは、有岡くんの事ね。笑」





涼介、俺の前では、いっつも有岡くんの事をプードルって呼ぶんだ。



普段は有岡って呼んでるはずなんだけど…恥ずかしいのかな？笑






雄「…まあ。

それくらい君たちの存在は涼介にとって大きいんだよ、って話。」







…んー。



軽く話すつもりだったのに、思ったより長くなっちまった。





涼介のケガも心配だし…そろそろ戻らなきゃ。







雄「…ごめん、話しすぎた。

俺、そろそろ戻るわ。」



裕「…あ、ありがとうございました！

とっってもタメになるお話でした！！」



雄「ふふっ…そう言ってもらえると嬉しいよ。」



大「…雄也さん。」



雄「ん？」



大「俺、決めました。


俺…山田の＿＿





”親友”を、目指します！」






雄「…へ？」






思わずまぬけな声が出た。



そんな俺に構わず、有岡くんはニッコニコの笑顔を見せる。






大「今の話聞いたら、友達じゃ足りないんだなって。

それ以上の関係にならなきゃって思ったんです。」



雄「…！」



大「…いいですか？」






一転して、真剣な表情で。




耳に馴染む、低い声で聞いてくる。









＿＿迷う要素なんて…ない。



答えはすぐ、決まった。









雄「…頼んだよ、涼介の事。」

EPISODE 24 〜宣言〜→←@2

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