夏、生徒会室で (ページ2)

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ニ話ページ2

「ごめんね、いきなり。知ってるかも知れないけど、生徒会長をやってる小川奈央って言う者なんだけど。」

「は、はい…」

かつあげとか、そういう雰囲気ではなかった。それにひとまず、ほっとする。

「髙東さん。物語を書くのに、ここは使えないかな？」

「…え？」

「生徒会って言っても、名前だけでさ。普段は委員会があるとき以外ほとんど使わないんだ。だから人も来ないし。俺はお昼食べたりするのに使うけど。」

「で、でも…」

「生徒会室の管理は、ある程度俺に任されてるんだ。先生も許してくれてる。図書室じゃ、他の人もいるし大変じゃない？」

確かに、他の人に見られていないか、不安な時もある。けど、生徒会室なんて。

「ね、お願い」

「わ、わ、わかりました」

何故お願いされたんだろう。貸してくれるのは、向こうなのに。押しに弱い私は負けてしまった。

「それと、さ。俺に、見せて欲しいんだよね。」

「な、何を…ですか？」

「君の、作品。」

「……なぜですか？！」

「ちょっと、興味があるんだ。勿論、誰かに広めたりなんかしないから」

「そ、そんな、でも…」

「できる限り、協力するから。お願い」

お願いという言葉に、私はなんて弱いんだろう？こんなの、断れない。

まず部屋を貸してくれるんだ。それくらい、しないと…。駄目だよね…。