信頼/2 ページ21
「今まで、ほんとにごめん!」
「っ、謝られたって、私許せないよ?!そんなに優しくない!」
「でも!俺達は、美帆ちゃんに騙されてっ」
「騙したのは美帆ちゃんでも、私を裏切ったのはあんた達の判断じゃない!」
皆を騙して、私を悪者に仕立てあげた元凶は確かに美帆ちゃんだ。でも、それを信じるか信じないかは、及川達が決めたこと。
「どうして?!」
なぜか、美帆ちゃんの叫び声が聞こえた。静まり返る体育館に、美帆ちゃんの声だけが響く。
「何もかも、うまくいってた!私の演技は、涙は、作戦は、完璧だったのに!私が愛されていたのに!何が間違いだったの?!」
「…うまくなんか、いってなかった」
美帆ちゃんの絶叫に答えたのは、意外なことに国見だった。
「…すいません、A先輩。信じてもらえないかもしれない、けど。俺、A先輩のことを、信じてました。」
「っ、なにそれ。」
「俺は、美帆が仕事を押しつけてるのを、知ってました。でも、俺怖かったんです。及川さん達に反抗すること。そんなことしたら、俺はどこにも居場所がなくなる。」
俯く国見の表情は見えない。けど、だんだん小さくなっていく震えた声からだいたいの予想はつく。
「そのせいで、先輩の居場所が無くなっていく罪悪感は消えませんでした。きっと、これからも消えません…」
うっすらと涙の浮かぶ瞳。国見は泣き顔を見せたがらないタイプだろうに、顔をあげて、言った。
「許してほしいなんて、絶対に言いません。死ぬまで恨んでくれて、いいです。だから、だから戻ってきてくれませんか」
「…無理だよ」
この体育館に来るだけで、今までの記憶が蘇る。そんな中、まともに部活なんてしたない。
「っ、そうだよ、国見君…。やだよ、この部には、私が…」
「美帆は、黙ってろ」
岩泉の低い声に、美帆ちゃんはびくりと肩を揺らして怯える。やめてよ、そんなの見飽きた。
「私は、もう幸せになりたいの。できれば、バレー部と顔も合わせたくない。皆を許せるほど、私は優しくないから。」
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Rosé(プロフ) - ぬわあああ…帰宅部になってからの話とか見てみたi(((( とてもグッてきました… (2021年9月23日 22時) (レス) @page25 id: 292e42663c (このIDを非表示/違反報告)
zero(プロフ) - シリアス系は青葉城西が多いのはなぜでしょう。書きやすいから。。。。。。。(・・? (2021年6月2日 5時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
てぇてぇ - 大好きです (2021年5月24日 19時) (レス) id: c0ba4ad0a8 (このIDを非表示/違反報告)
パンサー - なんか悪役の涙にいとも簡単に騙されてしまう部員たちも嫌だしノートを見ただけで騙されてたんだ!嘘だったんだ!ってなる姿もスッゴく醜いですね。チョロいというかなんというか、、、でもとっても素晴らしいと思いました。面白かったです (2020年11月30日 1時) (レス) id: 9427730656 (このIDを非表示/違反報告)
甘納豆(プロフ) - 凄く泣きました。こんなに泣くとは思ってなくて、ビックリしています。こんな作品を書いてくださり本当にありがとうございます。 (2018年9月27日 17時) (レス) id: 00439ef5bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イチゴヨーグルト | 作成日時:2017年1月5日 22時