恋と雪 (ページ3)

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二話ページ3

｢ん、やる｣

｢え、いいの？｣

駅について、有野くんが先に行っててって言うからきて待っていたら、あったかいミルクティーをくれた。

｢苦いの、無理だったよな。｣

｢…うん。ありがとう｣

私が座っていたベンチの隣に腰掛けて、有野くんはコーヒー缶を開けた。そういえば話した気もする。苦いの無理って。

缶を持つ手がじんわり暖まってきて、指先の感覚が戻ってきた。ちなみにだけれど、駅に着いたときに手袋は外した。

｢お金、払うよ｣

｢いや、いいよ。気まぐれだし｣

｢…ありがとう｣

私も缶を開けて、ミルクティーを一口飲んだ。とっても甘くて、おいしい。体が暖まってくるような、そんな気がした。

｢最近、一気に寒くなったよな｣

｢ね。一昨日くらいに、マフラー引っ張り出して来たもん｣

｢俺も。あと、自販機の半分があったかいやつになってた。冬なんだなって、思う｣

｢あー…でもあったかいのってコーヒーとか、紅茶とか、お茶しかないよね。…あれ？紅茶とお茶っておなじなんかな？｣

｢あれ、茶葉になる前のって同じ植物なんだろ？茶葉の作り方が違うだけで。根っこは一緒だろ、多分｣

｢へー、そうなんだ。面白いねぇ｣

有野くんは残り少なかったであろうコーヒーを流し込んで、空いた缶を捨てに行った。私も冷める前に飲んでしまおう、と火傷をしないように気をつけながら、一口一口飲んだ。

あと2、3分で電車が来るだろうな、位で飲みきって、急いでゴミを捨てに行った。けれど電車はもう来ていて、ドアが閉まるぎりぎりだった。ドアの近くに居てくれた有野くんが腕を引いてくれたおかげで、乗り遅れずにすんだ。

私達の駅までは、少し遠い。田舎で電車も少ないし、この時間のを逃したら駅で1時間とか1時間半とかまたなくてはならなくなる。

けど多分、有野くんは私が間に合わなかったら自分も電車からおりるんじゃないかな。私も、多分そうする。

何故かはわからないけど、ずっと前からそんな気がするんだ。本当によくわからないんだけど、有野くんも私も、同じ気持ちをお互いに持ってるんじゃないかって。この気持ちがなんなのか、本当に有野くんもそう思っているのか、は検討が見当がつかないけど

有野くんの行動を見てたら、なんとなく思うんだよね。