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校門をくぐり及川と岩泉の二人と分かれても、後ろから走ってくる音は聞こえなかった。
そのまま以前一静と行った喫茶店の前を通り過ぎる。
「日曜もやってんのな」
「インハイ終わったら来るか」
少し立て込んでいる今後の予定を考えながら頷く。
「その前にテストない？」
「あー、中間か」
「その時来るべ」
そうするか、と優しい声で答える一静は柔らかく笑っていた。スマホが振動した。
「ちょ、今更花からメール来たんだけど」
「無視しろ無視」
折角ふたりきりだし、と思いメール画面のままスマホを閉じる。それを確認した一静は目を細めた。
「やっと独り占め」
「殆どいつも独り占めしてるだろ」
「いんや、最近は登下校時に花がな」
「前と変わんねぇよ」
俺の目を覗き込もうと見詰めてくるその目は、どこか甘い。比較的慣れたそれに少し照れるが、怖がらなくなった俺に一静は機嫌がいい。
「買うの、決めたか？」
「ん、有名どころの安いやつにする」
「いくらくらい？」
「3000円くらい？」
結構だな、と言いながらも二人で目の前にある電器屋に入る。
大音量のBGMと店内アナウンスに顔を顰めながら、目当てのコーナーに行く。
「黒ないのか」
「白はちょっとラメ入ってんだな」
目星を付けていたヘアアイロンはあったものの、3色展開の中で最も無難な黒は欠品だった。残り1色はピンクで、流石にきつい。
「なんか他のないかな」
「これは？」
一静が手に取ったのは、俺が買おうとしていたのより少し高価なモデルだった。
「背に腹は変えられねぇか」
「俺ポイントあるから使えば」
「いや、一静使わないじゃん」
「いいって」
一静はそのまま会計の方へ俺の手を引いて歩いていく。
「これ、お願いします」
「ポイントカードはお持ちですか？」
「はい、全部使ってください」
かしこまりました、と男性店員が手際よく処理していく。その間に財布から千円札を4枚出した。
「お会計が3180円でございます。」
「あ、これで」
カルトンに財布から出した札を載せる。店員は枚数を確認してレジに通した。ガサッと音を立てて袋に詰められる。
「お釣りと商品です。ありがとうございました」
「ありがとうございます」
店員に一静と二人頭を下げて足早に店を出る。
「ポイント使ってよかったの？」
「いーの」
少し歩いていると「青城の松川くんとマネ」という声が聞こえた。振り返るが見知った顔はない。
が、少しダサい服を着た人に手を振られた。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
