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花巻の家の前を通り過ぎても、花巻はそのままついてきた。
「ちょ、家過ぎてるだろ」
「だー、ちょ、ちょっとだけ」
「なにがだよ」
花巻は一静の肩を掴んで離そうとしない。携帯はしっかりと握られたままだ。一静は少し道を引き返し、俺は花巻の背中を押して家に向かわせる。
「いいよって、いいよってきたんだけど、どうしたらいいこれ？！」
「好きにしろよ」
「念願の彼女できるかもだぞ」
一静と二人でケラケラと笑えば、花巻はいつになく不安そうな顔で俺と一静を見た。
「お、俺、うまくできる気がしない」
「妹にやってるみたいにすりゃいいだろ」
「最近話してねーんだよ！！」
「貴大、ご近所迷惑でしょ」
優しい声色で花巻に注意したのは、花巻の母さんだった。
「こんばんは」
「こんばんは」
「ただいま」
「二人ともこんばんは。貴大おかえり、ご飯は？」
花巻の母さんの問いかけに、俺と一静は少し呆れて花巻を見る。
「食ってきた」
「そう。お腹空いたら言ってね」
「花の母さんすんげぇ優しい」
「そりゃ花が自由奔放にもなるわ」
小声で一静と話していると、花は少し不機嫌そうに俺らを見る。
「どうした？」
「どうしたらいいんだってこれ」
まだ携帯は俺の隣席の女子からのメールを開いたままになっている。
「俺か一静に電話したらどっちもいるから、とりあえずお礼言っとけ。んで、デートは出来るだけ費用出したげれよ」
「お、おう」
「じゃあな」
一静と苦笑いしながら花巻に背を向けると小さく「明日な」と言う花巻の声がした。振り返らずに手を振る。
「花に春は来るんでしょうか？」
「あの調子だとどうだろな」
二人で苦笑いしながら、一静の家までの道のりを辿った。
「ただいま」
「おかえり。母さんがいい部屋あったって言ってたぞ」
「らしいな。メール来てた」
リビングに入って早々、一静の弟が俺に触れようと近付いてきた。一静はすかさず俺と弟の間に身体を滑り込ませて妨害する。
「ケチ兄貴」
「お前はダメだろ」
「下心丸出し野郎め」
「二人ともおかえり。お風呂入っちゃいなさい」
後ろから一静の母さんに風呂へ行くよう促される。
「ただいま。一静、俺着替え持ってくっから」
「わかった」
一静は自分のと俺のエナメルバッグを漁って、汗に濡れたTシャツを出した。
「いや、自分でやるよ」
「気にするもんでもねぇだろ」
言いながら立ち上がり、「俺の着替えもヨロシクね」と少し楽しそうに俺に言った。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
