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「じゃあな」
と及川と岩泉に手を振って分かれる。
花巻の家がある通りに向かって、三人揃って歩く。
「にしても、まさかの展開だったな」
「なにが？」
「同棲の話だよ、バカ」
「バカは言い過ぎじゃね？」
花巻を見上げて眉間に皺を寄せれば、花巻も同じように眉間に皺を寄せた。
「先輩を怒鳴り付けてたヤツがよくゆーわ」
「言えてるな」
「アレは俺悪くねぇだろ」
不貞腐れ、ジト目で花巻と一静を見回せば笑われる。
「まーそれもそーか」
「あ、一静の母さんにメールした？飯食って帰るの言ってない」
「俺からメールしたから大丈夫」
「ナイス」
ころりと表情を変えれば、一静も緩く笑って俺を見た。ラーメン屋、珍道中に入った時より少し落ちた陽は穏やかな紫になり、目を刺される感覚は殆どない。
「さっき、眩しかったろ」
「あ、分かった？」
「当たり前」
「公道でイチャつくなよ」
携帯をいじりながら花巻が言う。別にイチャついていないし、距離も程々にある。花巻にとって、こういったやりとり自体がイチャついている、という枠に入るのだろうか。わからん。
「花も彼女作れば？」
「当分ゴメンだわ」
「あー、女運ないもんな」
「うるせーわ」
ここ最近の当たりの悪さに辟易している花巻に一静と二人で笑う。思い出したように一静が口を開いた。
「俺らのクラスのコ、どうなのさ」
「あ、そうだ。昨日も見に来てたろ」
「あー、メール返してねーわ」
「出たよ」
「花がモテねぇのはそういうとこだって」
一静と呆れながら顔を見合わせる。花巻はメールを開いて目を丸くした。
「どーした？」
「デート行こうって」
「マジか！！」
「いつ？！」
珍しく一静も目を輝かせて食い気味に聞く。
「えー、っと、土曜」
「はい、おわりー」
「解散」
「まだわかんねーだろ？！」
焦ってメールを返しているのか、ガチャガチャとストラップを鳴らしながらテンキーを操作している。
「これでどーよ？！」
「いや、そんな必死さ出てたらダメ。フツーに謝ってフツーに部活遅くなったって返せ」
「んで月曜ならオフだからって代替案を提示。コレ大事だぞ」
「お前らそんなにデートしてねーのになんなの」
花巻に言われて一静を見ると、一静も俺を見ていた。二人とも首を傾げる。
「人と予定合わせる上で普通でないの？」
「何より花の返信は誠意が見えないな」
花巻の手の中にある携帯は『ラーメン食ってた 悪りぃ！明日は？！」と表示していた。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！及川も花巻も友達思いだと思うので、嫌がってる堂島を連れていった先輩に嫌悪感示しそうだなと、この展開にさせていただきまました！なかなか松川夢ってないので、自分のためにも頑張ります！笑ありがとうございます！ (2022年8月11日 8時) (
レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 展開が！！最高すぎます！！松川だけじゃなく花巻達まで不快に思ってる感じ本当に最高です...たくさん更新してくださるのでとても助かってます、これからも頑張ってください！^_^ (2022年8月11日 3時) (レス) @page5 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シャバ僧 | 作成日時：2022年8月9日 11時
