続・松川一静と俺の日常【ハイキュー】 (ページ14)

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花巻side-1

学校を出てから、特に行くとこもないからフラフラ歩いた。松川とAを二人にしてやりたくて、及川が引き下がるようにウソをついた。俺だってホントは女のコとデートしたい。けど生憎そんな相手はいねぇから、近くのカフェに入る。

「シュークリームとアイスコーヒーで」

注文して店員さんから受け取る。席を探すとすぐに見つかった。
好物のシュークリームを食べながらケータイをイジる。今日は6限までの日でおまけにオフだから、まだ16時にもなってない。なんとなく店内を見渡すと、少し歳上の女のコと目が合った。なんとなく見たことがあるような顔だ。

「隣座ってもい？」

「どーぞ」

混んできた店内で空いてるのが隣の椅子だったようで、そんな断りまで入れてくる。なんとなくが段々確信に変わってく。隣と言いつつ俺が座ってる方に荷物を置いて斜めに向かい合う。

「オネーサンいくつ？」

「デリカシーないね。21だよ」

「スンマセン」

「許したげる」

言いながらも教えてくれる。なんとなくテンポのいい会話。

「弟とかいる？」

「いるいる。生意気なんだよねー最近」

勝手にあたしのアイロン使うし、と笑いながら言う。

「仲いーんだね」

「多分ねー。つか君はいくつ？」

「俺今高3」

「弟とタメか。青城の制服だからわかってたけど歳上と知ってもタメ口なの嫌いじゃないよ」

やりぃ、なんて笑いながらアイスコーヒーを飲む。

「オネーサン暇なの？」

「今日は友だちと待ち合わせてたんだけどドタキャンされてさー。暇だねー」

君は？と話を振ってくる。

「俺は空気読んで遊び断ったらオネーサンに会えた感じ」

「うまいこと言うじゃん」

オネーサンはクッキーの袋を破いて食べ始めた。「おいし」と言ってテーブルに置かれた紙ナプキンを3枚重ねて広げた。そこにザッと音を立ててクッキーを数個出す。

「おすそ分け」

「サンキュー」

アイスコーヒーにガムシロを1個入れて混ぜる。オネーサンはスマホを見て「えー」と小さく言った。

「どったの」

「んー？まぁ家のこと。気にしないでー」

言いながらメッセージを誰かに送っているようだった。終わったのかまたクッキーを食べる。

「オネーサン、俺と遊ぶ？」

「もう遊んでるつもりでいた」

「はや」

クッキーを食べながら少し話す。アイスコーヒーもなくなったタイミングでオネーサンが席を立った。

「ごはん行こー」

「何食うの？」

「パスタ」

サイコー、と言いながらカフェを出た。