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松川side

今朝、少しイライラした。いつものことだし、いつもならスルーできてた。というかしてた。なんてことないいつも通りのはずなのに、なぜか今日はダメだった。先に戻った部室で頭を冷やしたら何ともなかった。

「ここはこないだの公式使って」

「あー、で代入するのか」

「そ」

目の前にいる幼馴染は、いつも真っ直ぐ俺の目を見る。嬉しそうな顔をしながら話をする。それをやらなくなる時がたまにある。

俺が褒めた時。

褒めるとこいつ、Aはどうしたものか、と顔に書いて視線を逸らす。褒められ慣れてないわけじゃないし、昔からよくあるやりとりだった。

「A」

「ん?……松川?」

わざと名前を呼んで目を向ける。Aは名前を呼ばれた意味をひたすら探してるらしい。頭上にクエスチョンマークが見える。そのくらいわかりやすい。

「なんでもないよ。解けた?」

「そか。……あー、うん。大丈夫、ありがと」

後から意味がわかってきたのか、じわじわと耳が赤くなっている。……顔はあまり赤くなっていない。

「A、熱でもあんの?」

「な、んで?」

耳に手を伸ばしながら、身体を硬くするAに既視感を覚える。ふと口元を緩め、頭を雑に撫でる。

「気のせいだったわ」

「そ、か」

ならよかった、と言いながら髪を整えている。目は若干潤んでいて、男にしては細過ぎる指は強張っていた。

自惚かと思ったが、どうやら違うらしい。

先程の既視感は、意識している男から距離を詰められた時にオンナノコがする反応だったから。

どうしたものかと、ふと考える。
Aのことなんて意識したことがなかった。身体つきは華奢だが、特別女顔でもないし。背は俺より低いにしても他に比べたら普通に高い部類だ。

「Aはさ」

「なに?」

ーー好きなコいんの?

表情を変えずに訊く。
瞬く間に真っ赤になっていく顔と耳。よく見ると指先まで少し赤みを帯びていた。

「……」

「ん?ごめん、聞こえない」

「いるよ」

細かく震える指先は怒りか、緊張か。そっと俯いた顔を覗き込もうとした時、予鈴が鳴った。身体を前に向け、担任が来るまで窓の方を見る。

今までの反応から確信した。
Aは俺を好きらしい。確信と言い切ったものの、どう反応していいかがわからない。今まで何も言ってこず、何ならこの関係を維持したいようだからそのままにするのがいいだろう。

今朝の苛立ちが何だったのか。考えてみるが、それの答えは見つけられなかった。

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シャバ僧(プロフ) - 優愛さん» ご要望ありがとうございます!負けず嫌いな男主なので、まだ未定ですが、一応別で男主受け松川夢ございます……よろしければ、どうぞ(宣伝) (2022年12月8日 23時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
優愛(プロフ) - 主人公は受けがいい!! (2022年12月8日 21時) (レス) @page35 id: 5e22586db0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シャバ僧 | 作成日時:2022年6月14日 0時

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