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レンゲに炒飯を取り、小皿へ移す。数度それを繰り返し、若干小皿の方が多くなったところで一静に差し出す。
「なんとなく予想はしてたけども」
「食べたいって言ったの、Aちゃんだよね?」
「ラーメンも食って炒飯も食ったら胃袋破裂するわ」
「ホント、胃袋が女子」
うるせ、と吐き捨てレンゲに取った炒飯を口へと運ぶ。隣で一静が「すみません、レンゲください」と言ったのが聞こえた。
「醤油の香りと胡椒の辛味がいい」
「Aの感想で食いたくなった」
「Aのはダメだけど俺のやるよ」
「いーだろ、A、ひと口」
「ん、勝手に食えば」
レンゲを皿の縁に掛け、花巻の方へ皿を少し押す。店主からレンゲを受け取った一静は炒飯を食べ、頬を緩ませた。その横で花巻がひと口炒飯を食べる。
「ん、確かにウマい。新発見だわ」
「
俺にもちょーだい、と及川が手を伸ばし皿を横取りしようとする。
「俺の分なくなんだけど」
「じゃあ俺と分け合おうか」
一静が俺の顔の前に炒飯を取ったレンゲを差し出す。パクリと口に含むと、一静は満足気に笑った。
「アッチーなー」
「及川のせいだな」
「なんで俺?」
「及川が食いたいっつったからだろ」
餃子を平らげた岩泉が不機嫌さを隠さずに及川を責めると、花巻は面白がってそれに加勢した。
「えー、とばっちりじゃーん」
「はい、先に塩と醤油ね」
「ありがとうございます」
カウンターテーブルより一段高い所に置かれたラーメン丼を一静と受け取り、及川と岩泉へ差し出す。岩泉はテーブルに置いて早々にガッついた。
「はい、坦々麺ね」
「スンマセン」
ドン、と二つ同時に置かれたラーメン丼を一静が俺の分もテーブルへと下ろした。
「さんきゅ」
「いえいえ」
「あー、修羅の空耳であったな」
「DOES?」
「そー」
「豚骨のチャーシュー大盛りね」
あざーす、と花巻のラーメンも出た。岩泉は既に麺がほぼないが「替え玉一丁」と追加注文をしている。
「修羅のはちゃんと歌詞に載ってるだろ」
「あ?そーだっけ?」
「前に合いの手で一、ニ、をそのまま読まれたことあって焦った」
「ハハ、センスねーな」
ラーメンを五人で啜りながら、くだらない話をする。なんとなく、
「今、めっちゃ青春してる感ない?」
口に出すと、四人に笑われた。
「部活に熱中してるのも、充分青春してるでしょ」
確かに、と溢して再びラーメンを啜った。
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シャバ僧(プロフ) - しおさん» 原作にない流れを書くこともあり、まだ展開が半端ですが、またペースを戻せるように頑張ります!こんな長い小説をここまで読んでくださりありがとうございます! (2022年11月7日 8時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - シャバ僧さん» そうだったんですね...!いつもお疲れ様です泣覚えて頂けて嬉しいです!!楽しみにしてます! (2022年11月7日 0時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
シャバ僧(プロフ) - しおさん» こちらこそありがとうございます!!烏滸がましいですが、スランプ気味で筆が乗らなかったため、更新が遅くなってしまいました……またコメントいただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2022年11月4日 21時) (レス) id: 97accd6b89 (このIDを非表示/違反報告)
しお(プロフ) - 5人のわちゃわちゃかわいいですありがとうございます...!!! (2022年11月4日 21時) (レス) @page26 id: 8068b429a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シャバ僧 | 作成日時:2022年10月6日 12時