名探偵コナン「〜コナンの想い〜」

39＊ ページ40

哀「・・・。」




コ「明美さんのことで。」




哀「！？」




哀は目の色を変える。





哀「お姉ちゃんの……こと……」




震える声を噛み締めながら1つ1つ言葉にする。





コ「あぁ。実は…俺、父さんに頼んで明美さんのお墓を用意してもらってたんだ。」






哀「うそ……。本当なの！？工藤君！？」




予想していなかった展開に哀は声を荒らげる。






コ「ああ。一度警視庁で預かってたんだけど引き取り先が見当たらなくて俺が預かってたんだ。ゴメンな。今まで言わなくて。」





そう言うと哀は首を横に振る。





コ「もし灰原がお墓参りしているところを組織にバレたら…と思ったら言えなかったんだ。俺が組織を潰したら一緒にお墓参り行こうぜ。きっと明美さんお前が行ったら安心すると思うから。」





哀は涙を流している。





まさか泣かれると思ってもいなかったコナンは内心焦った





コ「お、おい灰原？」




哀「ありがとう、工藤君。貴方になんてお礼をしたらいいの？私、もうお姉ちゃんに会えないと思ったら辛くて仕方なかったの。唯一の電話も組織にバレてしまって……でもまたお姉ちゃんに会えるのね。本当にありがとう。」




コ「俺ん家の書斎のホームズの初版本の中に手紙入れとく。お墓の場所もそこに泣いておくから海外から帰ってきたら、取りに来てくれ。約束だ。」





哀はコクっと頷いた。





コナンは腕時計で時間を見る。





コ「あっ！やべっほら灰原、父さん達のところに行かねーと。飛行機乗り遅れるぜ？」





コナンは泣いている哀の手を引き父さん達がいる飛行場へと向かう。









コ「あ、父さん！」





優「新一、遅くなった。」




コ「いいって…。それよりアイツらは？」




優「哀君以外は皆乗ってるよ。」




コ「そっか…アイツらのこと頼むな父さん。」






優「あぁ。任せなさい。」





コ「灰原、皆乗ってっからオメーも乗ってろ。」






哀「ええ。………ありがと………」





コナンは笑顔で別れを告げる。





哀「生きて帰ってきなさいよ。」





コ「あぁ。」





コナンの命は組織で終わるか病気で終わるか…どちらかしかない。今のところコナンを治せる薬がない為、命が尽きるのを待つしかなかった。
そんなことを分かっていてもやはり帰ってきて欲しいと願うものだ。




コ「父さん、俺にもしものことがあったら…アイツのこと頼むな。」





優「新一……。」

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