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「ん？」
「…鍵、返そうかな、って…」
「…え？」
「…」
「…もう、来んの、嫌んなった？」
「…ちが！」
バッと顔を上げたショウは
今にも泣きそうな顔をしていて
じゃあどうして
そんなこと言うのよ？
「俺が、持ってたら
…もし、彼女とかできたとき
返せって、言いづらいだろうし…」
「そ、んな…」
「だから、これ…」
ほんの少しだけ震える手が
合い鍵を取り出して、俺の目の前に差し出す。
「…」
受け取りたくなんか、ないけど
拒否をしても、すぐには無理だろう、から
手に取ろうとしたら
「…あっ」
お互いの震える手がタイミング悪く鍵をとらえ損ねて
カシャン
鍵が床に落ちてしまった。
拾おうとかがんだら
ショウも同じようにかがんでいて
顔を上げたら
ショウの顔がすぐ近くに、あって
「…ッ」
思い焦がれたその人が
こんなに近くにいて
もう、我慢なんか
きかなく、なって…
鍵を拾うため、すぐそばにあった手に
思わず自分の手を重ねた。
「…」
そのまま、ショウの手の温もりを感じて
「…！、ごめ、」
我に返ってその手を離そうとしたら
指がからんで、力が込められて
離して、もらえ、なくて。
「…ショウ？」
少しの沈黙の後、やっと名前を呼んだら
「…さとし…」
涙目で、震える声で
そう俺を呼ぶから
そっと、頬に手を寄せると
おそるおそる、という言葉が似合うように
ゆっくり、手を重ねてきて
「…これ」
視線を床に映す。
「いらないよ。ショウ以外には、渡すつもり、ないから
これからも、ずっと」
そう言っても、不安そうに目をぐらぐらゆらすから
安心して、ほしくて。
ショウの腕を引いて、抱きしめた。
その体温に、なんだか泣きそうになる。
「ショウ…」
「さとし…」
身体を離して顔を見ると
少し顔を赤く染めていて
「…ふふ。」
ちょっと照れくさくて笑ったら、
ショウもちょっと恥ずかしそうに笑った。
これ以上近くに顔があったら照れくさくて、耐えらんなくなりそうだから
「ん」
素早く、唇を重ねた。
すぐに顔を離すと、目の前のショウが
今までで一番、綺麗な顔で笑ってた。
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紗倉櫻(プロフ) - 乃絵さん» ありがとうございます！なんとか完結しました…笑 嬉しいお言葉、ありがとうございます！私自身もまた会いたいなぁ、と思っております！ (2015年12月18日 9時) (
レス) id: da919f493b (このIDを非表示/違反報告)
紗倉櫻(プロフ) - なっこさん» コメントありがとうございます！スローペースなこのお話にお付き合いいただきありがとうございました。そんな風に言っていただけて嬉しいです…！私もこの2人だいすきです♪なっこさんもお気を付けて！ (2015年12月18日 9時) (レス) id: da919f493b (このIDを非表示/違反報告)
乃絵(プロフ) - 完結お疲れ様でした。可愛くて可愛くて毎回会うのが楽しみでした。素敵な２人にまた会いたいです。 (2015年12月17日 17時) (レス) id: 6d402cac22 (このIDを非表示/違反報告)
なっこ(プロフ) - 完結、おめでとうございます!! 本編から、ずっとこのほんわかした物語が好きでした。これで完結というのは、寂しいですが何だか次の構想もあるようで…？ 笑。 楽しみに待ってます(￣^￣)ゞ 寒いですが、体調お気を付けて下さい。 でわ！ (2015年12月13日 21時) (レス) id: 13722848b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗倉櫻
| 作成日時：2015年12月12日 21時
