my self . Ⅰ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ50)

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「黒を選んで間違いなかったな」

しばらく歩いているとドラコが口を開いた。私が頭にはてなマークを浮かべているとマフラーだ、と言った。

「その頭の日、予定が詰まってやっと見舞いに行けたと思ったら爆睡だったよ」

その頭の日と言ってドラコは私の頭の包帯を指さした。あの試合の日のことだろう。
ドラコが選んでくれたの？と驚きながらいうと当たり前だろと返された。

『暖かくて気に入ってるの。ありがとう』

私がそう言って笑うとドラコは一瞬目を逸らしたがまた私の顔を見つめた。

「本当は今日渡す予定だったんだ。…事故があったから気の毒だと思ってね」

僕とお揃いのオーダーメイドだぞ、と言って自身の黒いマフラーをチラつかせたのでじっと見つめてみるとそこには Malfoy の刺繍があった。

もしかしてと思い私のものも確認すると Diggory と刺繍されていて私は驚いた。
その様子を見たのかドラコはまさか気付かなかったのか？と隣で呟く。

『すごい、気付かなかった…』

あまりにも手の込んだ刺繍に感激していると、あっという間にホグズミード村に着いた。セドリック曰くいい所と言っていたけど本当にそうみたい。

私達は先に有名パブ三本の箒に入った。

「父上が言ってたが以外にボロいな」

店に入るなりそう呟くドラコに思わず吹いたが味があっていいじゃない、と返した。

席に座るなり周りからすごい視線が刺さるがあまり気ならなかった。ドラコといると何故かいつもこうなので慣れてしまったみたい。

『これ凄く美味しいわ、一生飲める』

「アルコールが入ってるから飲み過ぎには気を付けろ」

もう既に4杯目を向かえた私のバタービールは、まだまだ美味しかった。だいたいなんでも１回飲み食いすれば飽きてしまうのだけれど、これだけは例外みたい。

気付けばテーブルを通りがかる店員にはもう1杯行きますか？と聞かれるほどに飲んでしまっていた。
対してドラコは2杯ほどで、あまり甘い物が得意じゃないそう。

しばらくして流石に気持ち悪くなったので、ドラコに連れられて店を出た。今更だが初っ端からあそこに入った自分を後悔する。

「本当に大丈夫か？」

『大丈夫。寒い』

自分もここからはあまり記憶がなくて覚えていないがかなり酔っていたのは覚えてる。全く、バタービールなんてそんな強くないのに…なんて考えた。

寒いと言う私を見てドラコは私のよれたマフラーを巻き直し、どこか暖かい店に入ろうと言った。

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