my self . Ⅰ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ44)

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甲高い悲鳴と共にドサッと何かが落ちる音が響く。
飛行訓練の授業の最中、ハンナが箒から落ちてしまったのだ。

わたしは急いで駆け寄り、先生の指示でハンナを背負って医務室に向かった。

「軽い打撲ですよ」

クィディッチをやっている私やしょっちゅうこんな生徒を見ているマダムポンフリーから見たらそうかもしれないが、ハンナにとっては大怪我。

しばらく安静にと言う指示をされたハンナはベットに横になるなりすやすやと眠ってしまった。

ハンナが寝てしまってからしばらくして、授業に戻ろうとベットのそばから立つと大きな足音と共に誰かが医務室に駆け込んできた。

「ヒッポグリフにやられちまった！」

足音の正体はハグリッドで、その腕の中にはわんわんとわめくドラコがいた。ドラコはベットに横にされるなりマダムポンフリーからの治療をしばらく受けていた。

『大丈夫？』

カーテンの隙間から覗いてそう声をかけると、マダムポンフリーは私に包帯を取ってきて、と言われた。

私は素直に包帯を取って渡す。ドラコはどうやら右腕をヒッポグリフに引っかかれてしまったらしく、ベットの上で座る彼の腕は包帯でぐるぐる巻きにされていた。

「貴方も安静にするように」

そう言ってマダムポンフリーはドラコに言うと、帰ろうと出口に向かって歩いている私に看病を頼んで医務室から出ていってしまった。

「重体の生徒の看病をしないなんて終わってる」

私は呆れ顔でそう言うドラコのそばにある椅子に静かに腰を下ろした。

『ヒッポグリフにちょっかいでもかけたの？』

私がそう言うとドラコは眉間に皺を寄せながらあのチキンが悪い、と言った。

看病なんてするのは初めてなので何をしてあげようかと悩む。何か欲しいものない？と聞くと横にいろとだけしか言わないので、水を持ってきてあげることにした。

『ごめんなさい、少し入れすぎちゃった』

私はそう言って水がいっぱいに入ったコップを持ってカーテンを開ける。ドラコは別に大丈夫だと言うので、彼に水を渡そうとベットに向かって歩き出す。

「おい、危な」

次の瞬間、足に何かが引っかかるような感覚と共に私は思いっきり転んだ。さっき私が使っていた椅子が原因のようで、医務室には椅子が倒れる音が響いた。

「……気を付けろとこの間言っただろ」

心配そうなドラコの声が頭上から聞こえる。私は急いで起き上がって彼の方を見ると、コップに入っていた沢山の水がベットにぶちまけられていた。

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