my self . Ⅰ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ17)

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飛行訓練も終わり、ホグワーツで過ごす一日はとても早いもので気づいたら夜になっていた。
ハンナとスーザンはつかれてしまったのか、ベットでぐっすり寝てしまっている。

私は至って普通でいつものように窓際でハーマイオニーのフクロウを待っていると、何故か2羽のフクロウ来た。

1匹はグリフィンドール寮方面から飛んでくるが、もう1匹はそれよりもずっと下の方から飛んでくる。

私は不思議にそのフクロウたちを見ていると、2匹ともしっかり窓をコツコツと叩いてきた。

『えっ2匹とも私宛？』

窓を開けると、冷たい風と共にフクロウがポトポトと手紙を落とした。

左側にとまっているのがハーマイオニーのフクロウで、もう1匹は…誰の？

下の方から飛んできたフクロウは黒色でとても綺麗な毛並みをしていた。

疑問を解決したい気持ちでいっぱいだけど、私は返事を返さなければいけないので先にハーマイオニーの方から読んだ。

その内容はいつもどうりハーマイオニーらしいものだった。
私は返事を丁寧に書いてあとはフクロウに任せた。

『さて』

私はそう言ってずっと待ってくれた黒いフクロウと向き合う。
そのフクロウが落とした手紙を手に取ると、生まれて初めて触る質感の手紙に少し驚く。

こんなの本当に私宛なのかと心配しながらも宛名を見ると、きれいな字で ''Draco.M'' と書かれていた。

私はドラコ？と一瞬考えたがはっとした。
Mから始まるファミリーネームはマルフォイしかないじゃない。

恐る恐るその手紙を開けると

「親愛なるディゴリー

君のファーストネームを教えて欲しい。

ドラコ」

『……これだけ？』

1行書かれた文章を読み、その文章の少なさに思わず手紙の表裏を何度も確認してしまう。

確かに、私マルフォイにファーストネーム言ってなかったかも…と私は自分の犯した失態にしょげる。

それと、彼のファーストネームもすっかり忘れていたみたい。

親愛なるドラコへ

ごめんなさい、この間指摘されるまでファーストネームを言い忘れる癖がついてたの。
私のファーストネームはAよ。

Aより

と書いた手紙を彼のフクロウにくわえさせ、スリザリン寮へ飛んでいく後ろ姿を眺める。

言い忘れた私が完全に悪いけど、こんなことで手紙を送ってくるドラコが少しばかり不思議で可愛いと思った。

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