5Fr�� ページ32
手元の紙に目を落とすと、それは書類ではなく、書道紙であることに気づいた。半紙よりも大きなサイズのそれには、達筆な文字で何かが書かれている。
『県大会まで
あと52日！』
すごく分かりやすい言葉だな。
その文字からは、力強さと気合いを感じた。これで、部員の士気を高めるのだろう。マネージャーというのは、そんな仕事もするんだと、少し驚いてしまう。
紙を拾っていると、厚さの違う冊子のようなものの感触が、指の腹に当たる。それを引っ張り出すと、随分と古びた紙に、荒々しい波のイラストが描かれた表紙が目に映る。
「これは…」
『岩鳶高校水泳部
地獄の夏合宿in無人島』
「この前、偶然部室で見つけたんです。海で合宿をすれば、持久力アップに効果的だと思って！今みんなで計画を立ててるんです！」
らんらんと目を輝かせて江は言う。
海……。
その言葉から、あの日の光景を思い出す。白装束を纏った人達が、列をなして歩く姿。当時は、なんて異様な光景なんだと、少し恐怖を感じたのを覚えている。
「……真琴は大丈夫なの？」
「え？」
思わずこぼれてしまった言葉に、江は不思議そうな顔で反応した。
「あ、いや……」
気まずくなり、私は視線を横にそらす。そのまま何も言えなくなってしまい、手元で置き去りにされていた紙の束を、江に手渡した。
「あ、ありがとうございます…」
「じゃあ、私はこれで」
そう言って立ち上がろうとすると、書道紙を抱えていた江が腕にぐっと力を入れ、私の方を真っ直ぐと見た。
「あの！A先輩！」
私は、力のこもった江の瞳を見つめ返す。
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
