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5Fr
廊下の窓の外は、うだるような暑さ。隣のクラスは体育終わりだろうか。半袖短パンの体操着でも汗だくになってしまう暑さで、行き交う人達は皆、体操着の襟元をパタパタと仰いでいる。
そんな昼休みの、人がごった返す中、私は購買部へと向かっていた。理由はただひとつ。お母さんが寝坊して、お弁当を作れなかったから。自分で用意しようにも、炊飯器の中は空っぽで、為す術もなかった。
たまたま授業が早く終わったため、ゆっくりと階段を降りていると、後ろから男子生徒がものすごい勢いで私を追い抜いていく。購買での昼ご飯の調達に、命をかけている部類の人たちだろう。私はそこまで生き急いでいないので、大人しく道を譲った。
複数の男子生徒を見送ると、階下から
「きゃあっ！」
という、どこか聞き覚えのある声が聞こえた。
階段を下っていくと、先程の勢いよく階段を降りていった男子と、廊下を歩いていた女子がぶつかったと思われる状況が見てとれた。恐らく、女子が持っていたであろう書類のような物が床に散乱している。
当の男子は、すんませんっ！と、口だけの謝罪を述べながら走り去っていく。せめて紙を拾っていきなよ、と、言いたくなるような態度だ。
いきなりの出来事に、呆然と立ち尽くす女の子には、見覚えがあった。
松岡江。凛の妹であり、水泳部のマネージャー。私が持っている情報は、それだけだった。
残り数段の階段をおり、私は散乱した紙を拾い始めた。はっと我に返った彼女は、すぐにしゃがんで私と同じように紙を集め出す。
そして私の姿を認めると、つぶらな瞳を見開いた。
「A先輩……」
名前を呼ばれたが、私はえっと…と、曖昧に微笑むことしかできない。彼女とは面識はあるが、気軽に話すような仲ではない。距離を測りかねてしまうのだ。
そんな私の心情を察したのか、彼女は可愛らしい笑顔を浮かべて口を開いた。
「この前、怜君の泳ぎを見てくれた時にお会いしましたよね。あ、私のことは江って呼んでください！」
その人懐っこい雰囲気は、なんとなく昔の凛に似ているなと、そんなことを思った。
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
