3Fr�� ページ19
昼休みが終わり、遙と真琴は軽くなったお弁当箱を片手に教室に戻った。
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「ここの1文には、遠く離れた友人のことを想う主人公の気持ちが表されていて……」
その後の5時限目は現代文の授業。静かな教室に、黒板にチョークで文字を書く音と、初老の女性教師の落ち着いた声が流れる。
ただでさえ、昼食終わりの抗えない睡魔に襲われる時間帯であるというのに、教師の声がさらに眠気を誘う。始まって10分ほどで、既に何人かの生徒はリタイアし、机に突っ伏していた。
遙も例外ではない。毎日の練習で疲れた体は、この静かな空間に耐えられず、瞼が当然とばかりに落ちてくる。
頬杖をつき、ぼんやりと黒板を眺めていると、教師の声が段々と遠のいていくのを感じていた。
「ーーーではこのページの2段落目から。えっと…、一宮さん、呼んでもらえる？」
右隣の席から、はい、という返事が聞こえ、椅子を引く音が響く。その音で、遙は微睡みの世界から現実の世界へ引き戻される。
「……私は古き友の姿を目に写すと、改札口から走り出した」
Aの声が右から流れてくる。高くもなく低くもなく、やけに落ち着く声だ。
その声で、Aは流れるように教科書の文字を丁寧に読み上げていく。遙は耳を傾けていたが、話の内容に興味がないため、Aの声は右から左へと通り抜けていった。
「ーー『そんなことはありません。わたくしは、あの時あなたと誓い合った言葉を、忘れたことなどないのですから。』彼は私にそう告げてみせたのだ」
しかし、Aの声で読み上げられたその一文が、遙の頭にはっきりと響いた。
ーーーあのとき、誓い合った言葉……
遙は思わず、遠い日の記憶に思いを馳せるーーー
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ミノ(プロフ) - ちょこれーとさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！とっても励みになります！私も遙が好きなんです！これからも気長にお付き合いいただければと思います^^* (2021年6月19日 22時) (
レス) id: 39ed912905 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - この小説めっちゃ好きです！Free！の映画も楽しみですね。笑 ちなみに、私はハルちゃんと郁弥推しです！これからも作者様のペースで頑張ってください！応援してます(*'▽') (2021年6月19日 22時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミノ | 作成日時：2021年5月17日 21時
