牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹49 ページ49

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「Aは休憩中の看板が見えんの？」

いや…パンツ姿で怒られても…

先に服きなさいよ…

私も悪いけど…

「服どこおいたっけ〜」

と言いながら洗面所らしきところに消えていったさかた。

てかここいつも休憩中じゃないか。

もう朝の10時だ。

もしかして開いてないのか？

「も〜Aってば聞いとる〜？？」

いつの間にか目の前にいたさかたがぶーと口を尖らせる。

「聞いてなかった」

というと素直〜と言う返事が返ってきた。

「あんな？僕やって年頃の男の子やし女の子にパンツ姿見られるのは恥ずかしいわけよ？」

年頃？

二十歳超えてるくせに何を言ってるんだこの男は。

「そういう話はどうでもいいから早く荷物をまとめて」

なんで？と言うさかたに説明するのがめんどくさくて車の中で説明するから早くとだけ言った。

察しのいいさかたはしばらくう〜〜んと唸ったあと納得したように笑い荷物をまとめに入った。

「僕は運がええな！」

なんて嬉しそうに彼が笑うから"誰かの幸せは誰かの不幸"という言葉は本当なんだと一人で納得した。

…彼と出会わなければ、彼の両親が亡くならなければ、私が、生まれなかったら…

こんなことにはならなかったかな、なんてメンヘラみたいなことを考えている自分に嫌気が指す。

…私には眩しすぎる。

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