鈍感ちゃんとヤンデレくん［うらたぬき］

鈍感17 ページ20

Aサイド

「、、、私、親が忙しくて話す時間なんかなくて、ずっと家で一人だった。だから、寂しくて、なにかしたら構ってもらえるんじゃないかって、死のうとしたことがあるんだ」

わたるは少し目を見開いた。

「でも、やっぱり死ぬのって怖いじゃない？
だから、死ねなくて、私、そのときすごく泣いちゃってさ」

あのときは本当に、本当に死のうとしてたんだ。

「その日は偶然親が早く帰ってきてね？
泣いてる私を見て心配してくれて、私ちゃんと愛されてるんだってうれしくなって、それから死のうなんて考え、持たなくなったんだ」

単純だよね、なんて笑うとわたるは首を振ってそんなことない、と言ってくれた。

「その、だからね、わたるもいつかそんな日が来ると思うんだ。あぁ、自分ちゃんと愛されてるんだなって、思う日が、きっとくるよ。」

そう言うとわたるはまた泣いてしまった。

そして、こう言った。

わたる「Aは俺を愛してくれる？」

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