鈍感ちゃんとヤンデレくん［うらたぬき］

鈍感13 ページ16

４年前＿＿＿夏。

Aサイド

お母さんもお父さんもお仕事でいなくて、学校も夏休みで休みだし、特別仲がいい友達もいない。

だから、ブラ〜と歩いてた。
スマホと財布を持ってボーと行き先もなくただただ歩いていた。

ふと目に入ったのは小さい頃、まだお母さんもお父さんもそこまで仕事が忙しくなくてよく遊びに来ていた公園だった。

(久しぶりに行こうかな)

特に行き先がなかったため、公園に行くことにした。

ブランコに乗って、スマホをいじったり少し漕いでみたりしてたら、ガサガサって音がした。

なんだろうって近づいてみると男の子がいた。

誰だろう、この子。

いや、年上か？
この子っていうほど若くないような、、。

？「何見てんだよ」

目つきが鋭くてとても優しいという雰囲気は持てなかった。

所々、怪我をしていて血も出ていた。
　
「あの、大丈夫ですか、、、？」

心配して話しかけるとさらに睨まれた。

？「うるせぇんだよ、さっさっとどっかいけ!!」

大声で言われて少し竦んだがほっておけない。だって怪我してるんだもん。

「行きません!!家どこですか？あ、私の家に行きましょう!!」

彼の腕を掴んで引きずった。

？「ちょっ、おい！離せよ！おい！」

この、クソ女！とか聞こえたけど気にしない。そんなこと知ってるから。

意外に力弱いな、弱ってるのかな。

家に近づくにつれて彼はどんどん抵抗をしなくなった。

それがなんだか信頼されたみたいで嬉しかった。
　

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