世界で一番【あほの坂田】

世界で26 ページ28

A サイド

このとき、私はなんて言ったらいいのかわからなかった。

わかった、と言えばいいのか。

無理、と言えばいいのか。

すごく悩んだ。

さ「A、、、」

か細い声で私の名前を呼ぶ坂田。

A「、、、わかりました」

愛されたいから、

もう母に暴力をふるわれるのが嫌だったから

いろんな言い訳はあるのにどれも違うような気がして、

なんだか、自分がなんなのかわからなかった。

さ「ほんと、？」

涙でぐちゃぐちゃの顔はいつの間にか笑顔になっていた。

A「やくそく、です」

さ「俺とAの約束！」

指切りをした二人はまた中庭を駆け出した。

手をつないで、遠くへと走っていった。

ピタリ、と時が止まったような感覚になり、次第に光に包まれていく。

暖かい、、、。

し「A、、、！！Aっ！！」

名前を呼ばれているような気がして、振り返れば志麻がいた。

し「こっちに来い！！」

志麻のいる、"現実"と坂田のいない"境界"。

私は迷っていた。

坂田を助けなければならない。

でも私は坂田を裏切った。

助ける資格があるの？

し「お前はもう気づいとるはずや！！Aにとって坂田さんがなんなのか！！早く気づけ！！！」

どんどんっ！と見えない壁を叩いて私に訴えかける志麻。

私にとって、坂田がなんなのか、？

し「お前は！！Aは坂田さんのことを、、、！！！！！」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿好きなんやろ!!

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