世界で一番【あほの坂田】

世界で15 ページ17

センラ サイド

せ「、、ん、」

目が覚めると倉庫のようなところに転がっていた。

体中が痛い。

せ「どこや、、ここ、、、」

腕と脚が縛られていて動けない。

あぁ、また攫われたんやな。

坂田ほどではないが何回かこういったことはあったので慣れてしまった。

志麻くん、助けに来てくれるだろうか。

まだ怒ってるだろうか。

こんなボロ雑巾みたいになっている自分を見てどう思うだろうか。

なんてことを考えているとガタッ、と音がし扉が開いた。

暗くて見えなかった視界が光に包まれて目を細める。

「なんだ、起きてたのか」

目の前に現れた人物に目を見開いた。

せ「あんたやったんか」

目の前にいた人物は昔、、

俺に強力な毒を持って一ヶ月昏睡状態に陥れたやつだった。

名前、なんやっけ。

忘れたわ。

「随分と長い眠りだったなぁ？」

死んだかと思ったぞ、なんて思ってもないくせに言う目の前の人物。

せ「そんな簡単にくたばってたまるか阿呆、こっちとら昔から狙われまくってんねん」

キッ、と睨めば気に入らなかったのか蹴りを腹に入れられる。

せ「うっ、げぇっ、」

ビチャ、と口からなにかがでてきた。

ゴホゴホ、と咳き込むとやつは高笑いをした。

「従者ってやつがいないとお坊っちゃんは本当になんもできねぇなぁ？」

ニヤニヤ、と嫌味のある笑いをこぼしたやつは携帯を取り出した。

せ「ゴホッ、俺、の」

俺の、スマホ。

「今から志麻ってやつに電話をかける、助けてくれるといいなぁ？」

ガッ、頭を足で踏まれて声が漏れる。

話し声が聞こえない。

意識が遠くなる。

なにかの爆発音が聞こえたあと、俺の意識は消えた。

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