世界で一番【あほの坂田】

世界で14 ページ16

センラ サイド

昔から、父にも志麻くんにもお人好しだと言われてた。

坂田ほどではないと信じたいが、疑わないと、と思っていてもやっぱりいい人に見えてしまって

信用してしまい、挙げ句のはて殺されそうになる。

志麻くんが心配してくれてるのはわかる。

Aさんを志麻くんもセンラも坂田も信頼している。

だから、大丈夫やって思ってた。

けど、志麻くんは許してくれない。

一度でいいから、利用されずに友達とバカみたいにはしゃいで遊びたかった。

一度でいいから、毒を心配せずに食事をしたかった。

突然消える従者に恐怖を覚え、己の未来に期待ができなかった。

自分の当たり前は周りからしたら当たり前ではないのだ。

志麻くんはセンラを羨ましいと言った。

でも、センラからしたら志麻くんのほうが羨ましかった。

せ「、、、戻ろ」

つい、カッとなって家を飛び出してしまった。

志麻くんに謝らなくては。

クビにするつもりなんかなかった。

どんな従者よりも志麻くんはセンラに親しく、友達のように接してくれる。

利用するようなそんな気持ちが微塵も感じ取れないのだ。

志麻くんは他の人とは違う。

それは、坂田もうらたんもAさんも同じ。

だから、家に帰って謝ろう。

坂田たちのもとに戻ろうと振り返るとバチッと腹部に痛みを感じて俺は意識を失った。

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