世界で一番【あほの坂田】

世界で27 ページ30

A サイド

『す、き？』

私が、坂田を?

し「はよ、戻ってこい!!
今ならまだ間に合うんよ!！」

こちらに手を差し伸べる志麻。

後ろを振り返ると坂田がいた。

さ「、、、俺が嫌いで憎くて、志麻くんも嫌いで憎いと思っているAは何を望む？」

フッ、と笑うと坂田はどんどん近づいてくる。

さ「その答えをAはわかってるはずや。」

ドンッ、と背中を押され私は志麻に倒れ込む。

し「行くで」

志麻は私の手を強く握りしめ前に進んだ。

坂田はこちら側にはこれないのか見えない壁に手を添えてこちらを見るだけだった。

さ「、、、。」

坂田の唇がわずかに動いて何かを発する。

でも、遠くて聞こえない。

どうして、そんなに悲しそうなんだ。

苦しそうなんだ。

教えてくれよ、改善できない。

そんな顔されるくらいならいつものようにうざったい笑顔を向けられる方がマシだよ。
　
なぁ、おい。

ふぁっ、と体が浮いたような感覚がしてどんどん目が冴えていく。

「Aさんっ！Aさん！！」

名前を呼ばれたような感覚がしてバッ、と起き上がると焦っているセンラがいた。

せ「大丈夫なん？どっか痛くない？うなされたり、泣いてたりしてたから心配してたんよ」

ベットの上で寝ていたらしい。

せ「志麻くんがセンラとAさんを運んでくれたんよ、今は坂田の居場所を突き詰めとる」

坂田、そうだ、坂田は、、、。

『行かなきゃ、』

フラッ、と起き上がり部屋をでようとするがセンラに止められる。

せ「待ってや！Aさん今熱があんねん！そんな状況で行ったって無駄やろ！！」

『うるさいっ！！坂田が、坂田が危ないんだよ、寝てる場合じゃない、』

坂田のことでこんなに必死になったのは生まれて初めてだ。

ほんと、どうしたんだろ。

さ「＿＿＿＿＿生きてな。」

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