刀剣男士を庇って死んだら来世もろくな物じゃ無かったし前世の記憶残ってるしやり直しって出来ますか？弐【刀剣乱舞】

記憶６０個目 ページ15

彩side




「…うぇえ…」



　本当、血の生臭さだけは相変わらずよねぇ。折角Aお姉様が治してくれたのに。



「お姉様の部屋はっとぉ……うわ」




　良い意味でも悪い意味でも変わっていない部屋は気味が悪い。


　手付かずの書類にそのまま時が経った荷物、堕ちてるとは思えないわ。


　ひとまず、風で散らばった書類を片付けようとする。が、何かに張り付いて中々取れない。



「何だろう…これ……っっとぉ！…あれ？」



　…誰のだ。破れてしまった書類の隙間からは黒に近い茶色と赤が見えた。


　…うん…範囲からしてアレだな、自分の傷を治さないまま、Aお姉様が恋しくなってここに来た。



　で、その時に血が落ちて付いた。後はそのまま寝落ちかなんかしたんじゃない？




「もうさ、帰りたいんだけど」



　血塗れの部屋に住みたくなんかない。離れに移るか。


　…嫌すぎる予感、正直帰りたい。正直じゃなくても帰りたい。



　スラッと軽く開いた戸の先には素晴らしい程の先客が。


　Aお姉様を頼る意味は何かを小一時間は問い詰めたい。


　目の空洞はこちらを吸い込むような風に見える。




「死んで生まれ変わる迄の、空白の時にこんだけの審神者が来たのね…可哀想に」



　Aお姉様とは逆過ぎる扱い。


　まあ、愛する人のために全てを捧げているから、あの人達に後悔も何も無いのかもね。

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