苦いチョコレート。 ページ28
結局、彼女のクラスのお店には行けなかった。
あの野郎ほんまに許さへん。
…それでも、Aちゃんを助けられてよかった。
三年生の階から離れ、中庭に出た。
｢あ、あの…うつくん｣
手を掴みっぱなしだった彼女から、声がかかる。
｢…あっ、ごめんAちゃん。痛かった？｣
そこまで強い力で掴んでいたつもりではないが、一刻も早く場所を移したかったために早いスピードで進んでいた。
｢ううん、痛くはない、けど…。メイド、服のままやから…｣
その発言で、漸く事の重大さに気づく。
｢あっ、えっごめん！思わず勢いで出てきてしもたから…！｣
｢あ、謝らんでいいよ？うつくんおらんかったら、あんなに丸く収まってなかったし…。ありがとうね、うつくん。｣
少し恥ずかしそうにするも、僕に笑顔を向けてくれるAちゃん。
めっちゃ可愛い。天使？Aちゃん、天使やった？
いや、そんなこと考えとる場合ちゃうな。
｢…さっきのこと、あったけど。Aちゃん、一緒に回ってくれる？｣
｢…うん。もちろん！｣
今度は彼女の小さな掌を包み込み、二人並んで歩き出す。
彼女のメイド服は、良くも悪くも周りの人間が同じような格好をしているため目立たなくなった。
二人でタピオカを飲んだり、射的をしたり。
思ったよりもそれぞれのクラスのクオリティが高くて、学校という閉鎖空間ではないのではないかと錯覚を起こすほどだった。
そして、その後も何事もなく文化祭を終えることが出来た。
一旦各々のクラスに戻ることになり、彼女を送り届け自分の教室に戻る。
｢みんなお疲れ〜｣
｢お、戻ってきたんか。どうやったんや“王子様”｣
｢ばっ、おま知ってるんか。｣
｢そらもうあれよ、情報早かったで？大先生がまさか、そんなかっこいいやつやと思ってへんかったわ｣
｢それ褒めてんか貶してんか分からんねんけど｣
｢うつくん聞いたよ？佐藤さん守ったんだって？｣
なんて、クラスのみんなに弄られるが悪い気はしない。彼女を守れたことは、僕にとって誇らしいことなのだから。
クラスのみんなと話していると、担任が登場し売上の話などをされる。
結果は、黒字。クラス費で使った金額の元を大幅に越えて一万五千円ほどの利益が出た。
その利益は何やら担任が使いたいものがあると言っていたため、僕たちは有無を言うことなく解散することに。
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ちぇる(プロフ) - 白ごまさん» コメントありがとうございます！ (2021年4月19日 19時) (
レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
白ごま(プロフ) - 甘酸っぱい両片思いでもうずっとキュンキュンしてました。完結おめでとうございます！ (2021年4月18日 4時) (レス) id: bba1a3ae28 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - �世気�» コメントありがとうございます！ (2021年3月12日 20時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
�� - キュンキュンする（真顔） (2021年3月12日 18時) (レス) id: 86f4624805 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！ (2020年12月1日 19時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
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