苦いチョコレート。 ページ46
視界に流れる桜色。
散る姿が美しいとされる桜が、学校の周りに植えられこの季節になると一帯がピンク色に染る。
｢…綺麗やな｣
彼女の姿が見え、立ち止まる。
柔らかな髪が靡き、翻るスカート。
はらりと散る桜が彼女の存在を際立たせる。
｢…あ、うつくん。来てたんやね｣
｢うん。今、来たとこ。待たせてごめんな？｣
｢ううん。全然。…それで、えっと…。｣
決めろ。男やろ。もうここを逃したら、いつ言うねん。
｢今日、Aちゃんに残って欲しいって言うた事やねんけど。その、うーんと…はは。｣
何で言葉出てこんねん。男見せろ。
｢えっと、さ。うつくん。｣
｢は、はい！なに？Aちゃん｣
｢実は、私も言いたいことあって…。｣
｢え、あ…。｣
何、言われるんやろ。この関係、きっぱり終わらせようとか？嫌や！そんなん嫌や…。
｢わ、私…。｣
｢ま、待って！先、言わせてくれへん？｣
｢う、うん。わかった｣
深呼吸、して。よし、言葉を発しろ俺。
｢ぼく…。いや、俺な？｣
｢…うん。｣
｢俺、Aちゃんのことずっと前から、好きやったねん。やから、この関係になった時。ほんまに嬉しくて、君のことを大切にしたいって思ってん。｣
彼女が少し、目を見開く。
｢俺の隣は、Aちゃんがいい。Aちゃんじゃないのは、嫌や…。やから…、このまま関係終わらせたくない。｣
言った。俺は、言うたんや。
でも、彼女の方に視線を向けられなくて俯く。
Aちゃんに、このまま振られたらきっと立ち直られへん。
途端、前からの衝撃で転びそうになるが踏ん張って耐える。
｢うつくん…！｣
｢え、A、ちゃん…？｣
｢…わたしも、私もうつくんのこと好き。初めてわかった。好きって、こういう事なんやなって。私の隣は、うつくんがいい。うつくん以外は、嫌。｣
暖かい。彼女を、このまま抱きしめてもいいのだろうか。腕は浮いたままだ。
Aちゃんが、顔を上げて俺と目を合わせる。
次の瞬間にネクタイをぐっと引かれ、距離がゼロになる。
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ちぇる(プロフ) - 白ごまさん» コメントありがとうございます！ (2021年4月19日 19時) (
レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
白ごま(プロフ) - 甘酸っぱい両片思いでもうずっとキュンキュンしてました。完結おめでとうございます！ (2021年4月18日 4時) (レス) id: bba1a3ae28 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - �世気�» コメントありがとうございます！ (2021年3月12日 20時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
�� - キュンキュンする（真顔） (2021年3月12日 18時) (レス) id: 86f4624805 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - メロンパンさん» コメントありがとうございます！ (2020年12月1日 19時) (レス) id: 2136318bfb (このIDを非表示/違反報告)
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