【d!】俺は。【sha】 (ページ4)

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いち。ページ4

事件から早1週間。

一つ飛ばした窓際席に座るAをこっそりと見つめる。

昔から思ってたけど、ほんまに綺麗な顔してんな。

そこそこ勉強もできるし、運動もまぁまぁ。
おまけに性格も良くて、先生からも信頼されて。
真面目にヒロイン気質だな。こいつ。

退屈な現代文の授業も、Aのことを考えていたらあっという間だ。

先生の話はほとんど聞いておらず、とりあえず書くだけ書いた俺のノートはすっきりとしており、加点なんてしてもらったことがない。
字は特別汚くも綺麗でもないけど、まあ普通って感じだな。

次の授業は何だったかな。

｢次、移動だよ。一緒に行くでしょ？｣

思い出そうとしていた時に隣から声が聞こえ、思わず肩が跳ねる。

｢びっくりした…。え、次なに？｣

｢美術だよ。｣

｢あー…。ちょっと待って。｣

選択授業。とりあえずAと同じならなんでもいいかと思って事前に聞くと、

『数学苦手だし、進学先のことも考えて美術にしようかなって思ってる。』

そう答えた。だから、別に得意でもない美術を選択した。絵とか全然書けないけど。

｢ごめんごめん。行こうぜ｣

｢うん！｣

これ多分何回も思ってるけど。
お前彼氏いるのに俺と一緒にいていいのかよ。

他クラスなのは分かるけど、ほんまに俺と一緒におりすぎちゃう？幼馴染やからって。

｢あのさ、いいわけ？｣

｢なにが？｣

｢彼氏。｣

｢あぁ、大丈夫。気にせんって言ってくれてたし。シャオくんとはそんなんじゃないしね。｣

｢ふぅん…。｣

悪気ない言葉が一番傷つくんだよな。