【d!】俺は。【sha】 (ページ25)

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にじゅういち。ページ25

そして週末。

｢おかしくないよな？｣

午前九時。Aを迎えに行く時間。

全身鏡に映る俺は、自分で言うのも恥ずかしいけどそれなりによく見える。

Aの隣に立って良いように、ちゃんと綺麗な服着たし。

どんな服着てくるんかな。大体分かってるけど。

｢じゃあ行ってくるわ。｣

｢お〜行ってらっしゃい。帰ってきたら話聞かせてな？｣

母親がニヤニヤとしながら見送ってくれる。

心配させたからには、ちゃんと報告するで。

玄関から外に出て、右隣に住むAを呼び出す。

すると、すぐに扉が開かれて袖がふわりと広がるワンピースを着たAが出てくる。

｢ぅっわかわえ…。｣

思わず声が出てしまった。反則級に可愛い。

｢どう、かな…。シャオくんとの、そのデートやし。｣

いつもは外ハネにされている肩で揃えられた髪も、ふわふわに巻かれている。

｢めっちゃ可愛い。俺のために？｣

｢うん。シャオくんの隣に並んでもおかしくないようにせななって思って。｣

は〜〜〜！！！！！俺の彼女ほんまに可愛い。

てか、お互いにお互いを思って服選んでるの最高やろ。俺も頑張ってよかった。

めっちゃ抱きしめたい。

でも、電車時間も迫ってるしそろそろ行かんとな…。

｢そろそろ、行こか。｣

そう言って進もうとするが、袖口を掴まれる。

｢し、シャオくん。｣

Aに引き止められる。

｢ぎゅってしてもらっても、いいですか…？｣

いつもよりは高くなってる身長でも、上目遣いは変わらず。

引かれている腕をこちらに手繰り寄せ、そのままAを力強く抱きしめる。

あ、めっちゃいい匂いする。

｢えへへ…。ありがとう。シャオくん。｣

こちらこそありがとうでしかない。

名残惜しいが、抱きしめる力を緩めて向き合う。

｢ええで。…ん。｣

今度こそ左手を差し出す。

｢…うん！｣

そっと握り返される手を恋人繋ぎにし、駅へ向かう。

ああほんまに。俺、めっちゃ幸せや。