【d!】俺は。【sha】 (ページ24)

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にじゅう。ページ24

あれから数日。

俺は一発吉田を殴り、あいつの噂が瞬く間に流れ。

俺たちの噂もすぐに広まった。

まぁ、Aの彼氏は俺やしええんやけど。

それにしても、俺の事睨む男多すぎん？

吉田の時はちゃうかったやろ。そりゃそうか。

俺ら毎日ベッタリやもんなぁ？クラスも一緒やし。

｢ﾁｯ…不人気のくせに｣

おいそこ聞こえてんぞ。

ええねん。不人気でも。

俺にはAがおるし？Aだけに好かれたらええねん。

｢もー、聞いてる？シャオくん。｣

｢ああ、ごめんごめん。なんやっけ｣

｢…やから！週末お出かけせえへん？って｣

うっっっっわ、まじか。

付き合って初めてのデート的な？

｢ぇ、お、おん…｣

｢もしかして、…嫌？｣

｢そ、そんなことない！めっちゃ嬉しい。やけど、なんかびっくりしすぎて、待ってくれへん？｣

｢まつよ。シャオくんがゆっくり話せるまで待つよ〜！！｣

ただ隣を歩いていたAが、俺の腕にしがみつく。

うぁ〜、俺の彼女可愛すぎひんか？

可愛いAの姿を見て、緩んだ口元。

｢廊下でイチャイチャすんな！｣

｢そうだそうだ！｣

あーー聞こえへんよー。俺らには何にも聞こえてませーーん。

篭った熱も漸く冷めた。いや、冷めてはないけど。

｢…よし。落ち着いたわ｣

｢ん〜よかった｣

｢Aと出かけれるん楽しみやわ。はよ週末ならんかな〜〜どこ行きたい？どこでもええで。｣

靴箱に着き、お互いに離れる。

つま先でトントンと音を鳴らすと、Aを扉前で待つ。

｢待ってくれてありがとう。｣

｢ええで。じゃあ、行こか。｣

ん。と手を出せば、俺の顔をちらっと見てから握られる左手。

一回り小さくて、柔らかいAの手を包み込む。

｢それで、どこ行きたいん？Aが行きたいとこ行こうや。｣

｢えー…。どこかなぁ。｣

｢初めてやし、遠出する？｣

｢うーん…。正直、シャオくんとならどこ行っても楽しい気がするねんなぁ。｣

ほんまに可愛い。毎日惚気けたい。

あ、そういやゾムになんも言うてへんかったな。

あいつ、何だかんだ心配してくれてたし。

｢ん〜…。あ、じゃあさ。水族館行こうぜ｣

｢水族館…？｣

｢ほら、昔一緒に行った時めっちゃ楽しそうやったやん。｣

｢…覚えててくれたん？嬉しい…｣

元から血色のいいAの頬が、さらに染まる。

今まで抑えてた分、Aへの愛が溢れて止まない。