【d!】恋とは一体、何たるや。【初恋企画】 (ページ46)

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あの邂逅からほぼ毎日と言っていい程、彼は私の元へ足を運んだ。
教えてもいないのに家を知っていた時にはさすがに驚いたが、まぁ彼らの後輩とあらばそれくらい普通なのだろうと諦めた。

ci｢でな、！…先輩、聞いてます？｣

『うん、聞いてるよ。コネシマがチワワになった話でしょ』

ci｢全然聞いてへんやん！もう、ちゃんと聞いてくださいよぉ｣

彼はなんと言うか、後輩らしい後輩だなと思う。先輩である私にちゃんと敬語も使うし、たまに上げてくれるし。
出会った頃のような不思議な感覚は既になくなっており、彼らと同じようにただの友人として関わっているくらいには絆されている。

『君は、こんな面白みのない人間の元にわざわざ足を運んでくれるんだね』

ci｢先輩に面白みがなかろうが、僕が来たくて来てるんで関係ないですよ｣

『物好きだね』

ci｢それ言うたら先輩も十分に物好きやと思いますけどね？あ、そろそろ予鈴なりそうなんで行きます！｣

嵐のように帰って行った彼を見送り、次の授業は何だったかと時間割を確認していれば不快な視線を感じる。

『…何、うつ』

ut｢いやぁ、別にぃ？｣

『何もないわけないでしょ、その気持ち悪い視線。すぐ気づいた』

ut｢この子何で俺にだけこんな辛辣なん｣

『自分の行いを振り返ってみたら？』

うつが気持ちの悪い笑みを浮かべる理由は分からなかった。