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初恋の二重奏-shp- ページ40
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初恋の相手との出会いは、あの草原だった。
歌うことが好きだった。歌が自分の人生の半分近くを占めている位、音楽が心の底から大好きだった。好きな事が何かと聞かれれば、直ぐに歌を歌う事と答える。そんな人生を送っていたのだ。きっと、それから先もずっと同じような音楽で溢れた人生を送るのだろうと思っていた。
そんな時、偶々訪れたその草原で出会った、紫の瞳の男の子。1人で歌いながら歩いていれば、後ろから違う歌声が聞こえてきて、思わず振り返った先にいたのはふわふわとした茶色の髪を揺らしていた彼だった。
薄く微笑んだ彼は、直ぐに背を向けていたけれど、その手を掴んで引き止めた。今思えば、なんで引き止めたのだろうという疑問が湧いてくるけれど、その時は本当に"咄嗟"という言葉が合っていた行動だったのだ。
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