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「シャオロンくん去年何組やったっけ」
「おれは2組やったけど…Aは？」
「私は7組！結構遠かったし私の事見たこと無かったでしょ。」
「せやな、あんま見かけたこと無かったかも。」
「でもおれの名前知ってたんや。」
「うん、かっこいい人おるなって思ってたから。」
鉄球がストレートで飛んできた。今のおれの心臓を真っ直ぐ射抜くような一言に顔がぼぼぼ、と熱くなる。恥ずかしげもなくそんなこと言えてしまうものなのか。そんなこと面と向かって言われることなんてなかったから柄にもなく照れてしまう。
「へえ、そう、なんや。」
「あっ、ごっ、ごめんね、」
「や、全然気にせんといて！」
「…次の席替えまでよろしくね、」
「おう、よろしくな。」
そういうとAはぱっと別の方を向いた。おれも同じように彼女から目を背けて、はあ、と息をついて窓の外を見るフリ。未だに赤いであろう顔を見られないようにするため。誰もいないグラウンドを眺めて数秒。ふと教卓側に目を向けると、自分の前の席がロボロなことに気づいた。気持ちを少しでも切り替えるためにもロボロに話しかけてみる。
「お前前やったん。」
「はあ？気づいてなかったんか。」
「小さくて見えんかったわぁ。」
「やかましいねん！」
ギャアギャアと持ち前のでっかい声で騒ぐロボロ。ゾムは周りに知り合いがいなさそうだ、ぼっちめ、ざまあみろ。コネシマはそれなりのコミュ力があるから大丈夫だろうけど。
「なあシッマさ、めっちゃ先生にイジられるんちゃう、居眠り多いし。」
「せやろなあ、当てられて焦るコネシマが目に浮かぶわ。」
「数学とか絶対寝るし終わったな。」
気を逸らそうと話している間にも、どうしてか隣の彼女のことが気になってしまう。チラチラと視線を向けてしまっていることがどうかバレませんように。見れば見るほど魅力的に感じてしまって、これが初恋というやつなのかと思ってしまう。
「…シャオロン？話聞いとんのか？」
「…きいてへん。」
「お前人の話くらい聞けや！」
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