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「シッマは素行悪いから絶対1番前やで」
「なんやとぉシャオロン！」
「シッマは1番前やな」
しかも金髪やし。これは地毛や！なんて。そうしてゲラゲラと笑っていれば、あっという間に休み時間は終わってしまった。この後のLHRで、すぐに席替えが行われるだろう。
「LHR始めるぞ、早く座れ〜」
担任が声をかけながら入ってきて、教室は静かになったがみんな心做しかソワソワとしているように見える。席替えはくじ引きで行われるらしい。順番に引かれていくくじを見ながらちょっと考える。窓側の席の方がいいな、でも夏になったら日差しがしんどいかも。隣は可愛い子とかの方が嬉しい、まあ話せるなら誰でもいいな、あんま仲良い女子とかおらんしなあ。仲良いヤツらも近くにいたら楽やな、とか。
「お。」
「シャオロンどこやったん。」
「おれ窓際〜ゾムは？」
「俺は真ん中の1番後ろ。シッマ真ん中の最前列やって」
「マジ？予言当たったやん！」
俺の番で引いたのは窓際の後ろから2番目の席、ラッキー。全員引き終わったところで、黒板に書かれた席の位置に自分の机を移動させる。校庭も見えるしいい感じの席だと思っていると、隣の席になったであろう女子が筆箱の中身をぶちまけていた。
慌てながら拾う様子を見て、おれもしゃがみこんでペンを拾ってやる。
「ん、コレ。」
「ありがとう」
優しく微笑むその子に、どくりと胸が高鳴った。少しだけ頬が熱い気もする。立ち上がってパタパタとスカートをはたくその子に目が釘付けになる。サラサラの明るい茶髪とぱっちりの青眼、そして白い肌。自分の席に座りながらも彼女のことをジロジロと見てしまう。彼女は真面目に先生の方を見てるから気づいていないみたいだ。なんて名前の子だったか。そう思っていると先生が自己紹介の時間を作ってくれた。
「Aです。よろしくシャオロンくん。」
「よ、ろしく。Aさん。」
「同級生なんだしAでええよ」
「…そ？ならそう呼ぶわ」
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