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***
一気に溢れ出した涙は止まる事を知らないようで、慌てて駆け寄ってくれたグルッペンも驚きのあまりいつもの余裕は消え去っていた。
ここまで着いてきてくれたトントンも部屋を出ていくし、木霊する自分の啜り泣く声は聞くに絶えないものだ。
『…もう、大丈夫。ごめんなさい』
gr｢いや、いい。謝るな。心配かけたな｣
乙女心など分かってもくれない鈍感な彼だから、きっと私が泣いている理由も分からないのだろうと思っていたけれど、先程のトントンの発言によって気づいたらしく私を気遣ってくれているではないか。
『本当に、毎日気が気じゃなかったんですよ。何度呼びかけても目を覚まさないし、お医者様は体に異常はないなんて言うけれど…』
gr｢あぁ、使用人たちから聞いた。毎日来てくれてたんだな。｣
『当たり前じゃないですか。私を、誰だとお思いで？あなたの婚約者、A･アーデルですよ』
少しばかり苛立ちをぶつけてしまうのも許してほしい。それくらいには、心配で心が擦り切れそうだったのだ。
gr｢それは分かっているが、君がこんなにも献身的に俺を想ってくれるなんて信じられなくてな｣
『…失礼な方ですね。あなたまで私の事を冷酷だと言うのですか？』
gr｢まさか！冷酷なんて、教養のない奴らの戯言だ。君はちっとも冷酷なんかじゃない。俺の為に涙を流してくれる、可愛らしい令嬢だ｣
『どうしてそれを』
にこりと笑って何も言わない彼に拳をぶつけるが、ただ楽しそうに笑うだけだった。
私の事を揶揄うのだけは辞めてくれないようで、本当に腹が立つ。しかし、こうやって軽口を交わせるくらいには回復したという事。
漸く、本当に安心出来た。
gr｢この数日間、学園はどうなっていたんだ？｣
『あと処理はトントンを中心に皆でしたわ。勿論、彼女の事もね。だから、あなたが復帰した時には特に仕事もないはず。』
gr｢そうか…。漸く、君への脅威はなくなったのか。これで俺も安心出来る。しかし、彼女の件で分かったな｣
まだ体も重いはずだけれど、さっと立ち上がった彼は椅子に掛けてあったカーディガンを羽織り部屋を出ていこうとする。
『ちょっと、まだ安静に…』
gr｢父に伝えてくる。君との婚姻の儀を卒業と共にするとな。そうすれば大っぴらに君と触れ合える｣
『は、え、ちょっと、それどういう…！あ、待ちなさい！グルッペン?!』
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ちぇる(プロフ) - かなさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて本当に嬉しいです。こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (
レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結おめでとうございます〜！！悪役令嬢もので1、2位を争うくらい好きで、夢主ちゃんの性格も本当に好きでした！！楽しい時間、ありがとうございました！ (2022年10月31日 18時) (レス) @page47 id: 139b3f8cfd (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - あいかわさん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてよかったです！ (2022年10月31日 14時) (レス) id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
あいかわ(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで楽しく拝読させていただきました。これからのご活動も陰ながら応援しております！ (2022年10月31日 12時) (レス) id: 339f3cd750 (このIDを非表示/違反報告)
ちぇる(プロフ) - ゆるぽろうさん» ありがとうございます！ずっと悪役令嬢ものは書きたかったので、今回書けて良かったと思っています！ (2022年8月18日 8時) (レス) @page4 id: f71e4746a6 (このIDを非表示/違反報告)
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